2022年春の製品化を目指す
同ホテルは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の主要拠点の近隣という立地から、関係者区域内への不正入館を防ぐ高度なセキュリティ対策と、従業員の本人確認業務の効率化が求められていたといいます。そこで、同ホテルの従業員通用口に顔認証と虹彩認証を活用したマルチモーダル生体認証端末を設置。従業員の厳格な本人確認と入館管理システムとの連携による履歴管理を行い、安全・安心かつ効率的な運用を実現しました。
NECは今後、顔・虹彩のマルチモーダル生体認証の2022年春の製品化を目指し、開発を進めていく構えです。
他人受入率、100億分の1以下
NECは、米国国立標準技術研究所が実施した認証技術のベンチマークテストにおいて、第1位の性能評価を受けた顔認証、虹彩認証、指紋・掌紋認証をはじめ、指静脈認証、声認証、耳音響認証という6つの生体認証技術を有し、生体認証ブランド「Bio-IDiom(バイオイディオム)」として展開しています。今回の実証で用いたマルチモーダル生体認証端末は、その中の顔認証と虹彩認証を組み合わせ、2020年5月に開発されました。世界トップレベルの2つの技術を統合しているだけあって、他人受入率(他人が認証を行った場合に本人であると誤認してしまう割合)は100億分の1以下という高精度を実現。両認証の照合結果を統合し、約2秒で認証を完了することができるスピーディーさもポイントでしょう。
さらに、非接触かつマスク着用で認証できることから、新型コロナウイルスなどの感染リスク低減にも貢献できると期待されているようです。
日本電気株式会社(1)(2)(3)
(文・Higuchi)