そして2021年度も委託先として採択されたことを発表した同社。竜巻などの目撃情報をいち早く通報する特定の撮影者に通知を行う「撮影アプリ」の開発を担います。なお、同委託研究には、官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)予算が活用されるとのことです。
2018年度から2020年度の開発事業
気象研究所による「AIを用いた竜巻等突風・局地的大雨の自動予測・情報提供システムの開発」は、AIを活用して竜巻などの進路を予測することで、鉄道・航空機の安全運行をサポートすることを目的としたもの。同社は2018年度に、竜巻などの予測情報と列車の運行情報を組み合わせ、鉄道事業者に竜巻や局地的大雨による危険性を知らせるアラート情報を生成するシステムを開発しました。
同システムでは、気象レーダーで探知された竜巻情報を活用して竜巻などの突風をシステム上に3D描画し、わずか30秒で可視化。迅速に危険性を通知できます。また、竜巻の予測進路上にある線路と、その線路を通過予定の列車に対して接触予測時間と竜巻を回避する推奨行動を提示することも可能です。
2019年度には、鉄道事業者に加えて航空事業者も対象に。さらに2020年度には、ドライバーに向け、竜巻などの突風や局地的大雨の予測アラート情報を表示するシステムを開発するなど、対象を拡大しています。
今年度は「撮影アプリ」を開発
2021年度は、「気象レーダー・カメラ・GPS等の計測システムと交通データを組み合わせた竜巻・大雨に関する情報生成システムの研究開発」において、撮影アプリの開発を担います。同アプリは、気象レーダーが竜巻などの突風や局地的大雨を探知した場合、その近辺にいる防災関係者など特定の撮影者に通知。撮影者が実際の気象状況を撮影すると、その画像をAIで解析し、雲の種類を判別した後にサーバーに自動送信します。
また、竜巻・局地的大雨の複合アラート情報配信システムにおいて「撮影者ビュー」を新たに追加し、気象レーダーによって捉えられた探知情報と、AI解析した撮影画像情報を比較検証する機能も開発するようです。
なお、撮影者の画像を解析するAIは、他委託事業者が開発するとのこと。
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(文・Higuchi)