「電波式見守りシステム」は、位置、姿勢、転倒、浴槽での溺水や呼吸状態を自動的に検出。洗い場で転倒状態が20秒以上続いたり、浴槽で水没状態が60~120秒以上続いたり、と異常が発生したと思われる時点でアラートを発報します。
一筋縄にはいかない浴室での「見守り」
消費者庁が2020年11月に出したニュースリリースによると、令和元年の家および居住施設の浴槽における死亡者数は4,900人。平成20年の3,384人と比較すると、約10年間で約1.5倍に増加したとのこと。浴室には、ヒートショック、熱中症、転倒など事故につながる様々なリスクが潜んでいる一方で、環境の特性上プライバシーへの配慮が必要なため、カメラを使ったシステムは使用できません。
それでは代わりに、と電波センサーを使用したシステムを用いる場合、浴室特有の環境(鉄板に囲まれた狭い室内、シャワーや水面のゆれなど)に大きな影響を受けるため、高い精度の検知を行うことが技術的に非常に難しいといいます。
繰り返し行った実証実験の効果
このような課題を解決するべく、SMKとエコケア社は「電波式見守りシステム」の製造・販売にあたり、実証実験を繰り返し実施。中部電力社や集合住宅管理を行う日本総合住生活社、ユニットバスメーカー、高齢者施設運営会社など、サービスに関連しうる様々な業種の企業より協力を得ました。結果として、様々な浴室のサイズ、シャワー、水面の揺れの影響などをノイズとして学習させることで、浴室内での位置、姿勢、転倒や水没などの検知率を90%(SMK社実験環境での精度結果)まで高めることに成功したといいます。試作品リリース後は、一般住宅や高齢者施設、病院などでさらなる実証実験を進め、2022年春からの量産開始を目指します。
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(文・Saki Amano)