そこで株式会社ハシラスは、Webブラウザーから直接、大人数同時参加のバーチャル空間に入れるメタバース技術「めちゃバース」を開発。バーチャル空間の利用をより手軽かつ身近にする技術として、幅広いユースケースを想定しているようです。
VR空間を身近にする「めちゃバース」
「めちゃバース」は、Webブラウザから1,000人規模の大人数が同時に参加できるバーチャル空間にアクセスすることを可能とするメタバース技術。事前のユーザー登録やアプリインストールは一切必要ありません。「めちゃバース」のURLには、クエリ文字列としてユーザー名を付加することもできるので、特定個人向けのURLを発行すれば、URLにアクセスした瞬間にユーザー名が入力された状態でバーチャル空間に参加できます。同じバーチャル空間に参加しているユーザーの一部が不可視になることはなく、大人数が集まる「にぎわい感」を演出できるのもポイントでしょう。
「めちゃバース」が持つ「URLからのアクセスだけという手軽さ」と「大人数の同時参加が可能」という特徴から、さまざまなユースケースが想定されています。例えば、SNSなどを通じた集客を行うイベントや、「にぎわい」や「熱気」も重要な要素となる音楽ライブ、スポーツやeスポーツのバーチャル観戦など。同社は今後、市場の具体的なニーズを吸い上げながら製品としてブラッシュアップを続けていく構えです。
ハシラスのプロダクト
2015年に設立されたハシラスは、イベントおよび施設向けVRアトラクションの企画・制作・販売・レンタル、HTC VIVEやOculus RiftなどのVRヘッドセット用コンテンツの制作などを手がけてきました。例えば、VR空間内の水槽に自分の好きな魚を入れてオリジナルの水族館を作るVRアトラクション「みんなの水族館」では、リアル空間に設置したディスプレイに体験者が作ったVR内の水槽を映し出すことができ、リアルとバーチャルがリンクする体験ができます。なお、2017年に神戸市の須磨海浜水族園にて展開されました。
また、VRデバイス「キックウェイ」にも注目したいところ。「キックウェイ」は、パーソナルモビリティのような立ち乗り型のライドデバイスで、VRジェットコースターのようにVR内で移動するタイプのコンテンツにおける臨場感を高め、VR酔いを軽減することを目的に開発されました。「キックウェイ」に乗って体験できるコンテンツとして、美術館を一人乗りライドで巡る「VRライドギャラリー」や恐竜パークを駆け抜ける「ダイノキックウェイ」なども提供されています。ちなみに、「キックウェイ」は「Innovative Technologies 2019」に採択されました。
さらに、2020年6月に発表されたVRプレゼンテーションツール「キネトスケイプ」も要チェック。これはVRヘッドセット「Oculus Quest」に対応し、臨場感あふれるVRプレゼンを作成・実行できるアプリケーションです。自動車のようにプレゼンの場に持ち込みにくい製品をVR上に再現し、細部を見てもらうといった使い方もできるといいます。
PR TIMES
(文・Higuchi)