Arboreaが開発する「バイオソーラー・リーフ」は、光合成を利用した栽培システムです。同社は、二酸化炭素排出の環境への影響を最小限に抑えつつ、人口増加による食料危機に対処することを目指しています。
植物の葉のメカニズムを模倣した栽培システム
Arboreaは、インペリアル・カレッジ・ロンドンのホワイトシティキャンパスを拠点にテクノロジーの概念実証に取り組んできました。食物連鎖のベースとなる藍藻や植物プランクトンなどの微細植物は、多様で大量のタンパク質、抗酸化物質、必須脂肪酸……なんかを提供してくれる、いわばスーパーフードです。植物の葉のメカニズムを模倣したバイオソーラー・リーフは、こうした植物の成長を促します。
森林の100倍の酸素を生成
バイオソーラー・リーフでは、健康的な食品成分を生産する過程で大気から二酸化炭素を隔離します。1エーカー(約4047m2)の栽培システムで、同面積あたり森林の100倍の酸素を生成するとのことです。最小のエネルギー入力で理想の成長条件を維持。あらゆるスケールで展開可能で、面積当たり最大量の生産が可能です。さらには、不毛な土地や屋上なんかでも栽培できます。土壌を乱さず、したがって森林破壊や生物多様性の喪失も引き起こしません。
新天地ポルトガルでは、天候が技術の実証に適しているようで、Arboreaの今後の展開に注目です。
参照元:Major funding boost for White City-based startup Arborea/ Imperial College London
Arborea
(文・山田洋路)