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ダークエネルギーカメラが最も公転周期の短い小惑星を発見!

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Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva (Spaceengine)

チリのセロ・トロロ天文台(CTIO)に設置のダークエネルギーカメラ(DECam)が、これまでに知られる太陽系の小惑星で最も公転周期の短い天体の存在をあぶりだしました。

「2021PH27」と命名された小惑星は113日の公転周期を持ち、水星の公転周期88日に次ぐ速さで太陽の周りを1周します。

米カーネギー科学研究所のScott S. Sheppard氏は、DECamの取得したデータから直径約1kmの小惑星を発見。画像は2021年8月13日(現地時間)の夕方に撮影されたものです。

広視野CCDイメージャのDECamが活躍

Credit: DOE/FNAL/DECam/R. Hahn/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA

2021PH27発見に導いたDECamは、アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)とアメリカ国立科学財団(NSF)が運用する高性能な広視野CCDイメージャです。

ビクター M. ブランコ 望遠鏡に設置された、この570メガピクセルカメラは、62枚のサイエンスCCDと3平方度の視野を備えます。

もとはダークエネルギーサーベイ(DES)のために開発されたDECamですが、2019年1月の同サーベイ終了に伴い、現在は多様なプロジェクトで用いられています。

次の観測は2022年初め

Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/DOE/DECam/AURA/S.S. Sheppard (Carnegie Institution of Science)

ところで、太陽の近くにある天体は夜間の観測では発見できず、2021PH27に関しても観測のチャンスは日の出/日の入り付近のみだったようです。

今回の観測からは、2021PH27の起源や正確な軌道は特定できませんでしたが、太陽系外の彗星が惑星の近くを通過した際に捉えられた可能性も考えられるとのこと。

小惑星は現在、地球上から見ると太陽の後ろを移動しているようなかたちで、次に観測できるのは2022年の初めになります。そのときになって初めて小惑星の詳細が明らかになり、正式名称が決まるようです。

参照元:Fastest Orbiting Asteroid Discovered at NOIRLab’s CTIO/NOIRLab
Dark Energy Camera (DECam)
(文・山田洋路)

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