8月13日にフラウンホーファー研究機構と共同で行った実験では、フラウンホーファー通信研究所(フラウンホーファーHHI) - ベルリン工科大学間で、データの送受信を確認したようです。
電力増幅機器の使用で信号出力を安定
LGは、韓国科学技術院(KAIST)と協力して6Gに関連する技術開発を進めていますが、伝送距離が短いテラヘルツ通信では、アンテナ間で電力損失が発生するため、安定した信号の生成には電力増幅が必要でした。このため実験では、LG、フラウンホーファーHHI、フラウンホーファー応用固体物理学研究所(フラウンホーファーIAF)によって開発された電力増幅機器を使用。155~175GHzの周波数帯域で最大15dBm(デシベルミリワット)の安定した信号出力を生成し、実験を成功へと導きました。
高利得アンテナスイッチングの実証にも成功
同実験では、チャネルと受信機の位置の変化に応じて信号の方向を変更する「アダプティブビームフォーミング」や、複数の電力増幅機器の出力信号を組み合わせて特定のアンテナに送信する「高利得アンテナスイッチング」の実証にも成功しています。LGは6Gを、ヒトの存在と好みを認識し、それに応じて生活/ビジネス環境を自律的に改善するテクノロジー「Ambient Internet of Everything(AIoE:あらゆる用途に応じた環境インターネット)」を実現するうえで重要な役割を果たすと位置づけ、コア技術開発に注力する意向を示しています。
参照元:LG Records 6G THz Band Milestone/ LG Newsroom
(文・山田洋路)