自動化が喫緊の課題
従来、建物改修工事などで壁面の検査などの作業を行う際は、足場を組み立てて作業を行います。近年では検査はドローンを使用していても、作業は人が行う必要があり足場が不可欠なことには変わりません。また一方で、自然災害の激甚化に伴う倒壊事故、落下・転落による災害も多数起きているところから、機械化・遠隔化・自動化が喫緊の課題とされてきました。この課題を解決するためアイ・ロボティクスと光洋機械産業は、それぞれが持つ壁面塗装作業機制御の技術・昇降機の技術を組み合わせ、過去1年にわたる討議と共同開発を行ってきました。
両社の持つ技術を組み合わせ、ドローンをあえて飛行させず壁面に吸着させる事により、現在のドローン活用の問題点を解決に導くことが可能に。これにより、打音検査やタッチアップ塗装といった壁面でのピンポイントアクションを自由自在に行えるようになります。
人口密集部での運用も
技術的なポイントとしては、昇降式装置『パワーマスト』と一定範囲内を上下左右に移動できるウインチ制御式壁面吸着ドローンを組合せ、位置情報を計測プログラムに反映させ設定した場所に移動。カメラや洗車ノズル、塗装ガンを搭載する事により足場を使用せず点検、清掃、塗装等の作業が可能となるシステムです。アイ・ロボティクス及び光洋機械産業はさらに開発を推し進め、本年夏以降に現場への投入を順次開始していく予定。まずは、高所作業への導入から始め、他のソリューションとも組み合わせながら、ドローンが作業できない人口密集部での運用や重工業プラントの内部への提案などを行っていきます。
アイ・ロボティクスでは鉄道駅の天井裏調査やプラントの炉内検査等にドローンの活用を進めています。現在運用中の「汎用ドローン」、狭隘部に侵入可能な「マイクロドローン」、各種「ローバー型」機体によるソリューションに加え、3次元運用が可能な壁面作業機をアイテムに加える事でフルスペックの作業を一気通貫で行える体制を整えていくといいます。
PR TIMES
(文・Takeuchi)