ミシガン大学の研究者らは、自動運転車と2足歩行ロボットによる地域の配送センターから玄関までの小包配送について分析。温室効果ガス排出量を従来型アプローチと比較しています。
研究結果からは、ラストワンマイル配送の温室効果ガス排出量の削減には、車両のパワートレインと燃費の改善にかかっていることが示されました。
車両やロボットのライフサイクルも考慮
研究者らは、郊外配送を想定した12のシナリオで温室効果ガス排出量を比較しました。従来型/部分的自動化(配送先まで人間が運転し、ロボットが玄関まで配送)/完全自動化の3タイプの配送システムで、小型/大型の2サイズの車両を使用。車両の動力にはガソリン/電気の2タイプがあります。
注目したいのは、温室効果ガス排出量には、配送プロセスだけでなく、車両やロボットのライフサイクルで発生したものも含めている点です。
小型電気車両では完全自動配送がやや不利に
分析の結果、自動配送による温室効果ガス排出量は、従来型とほぼ変わらず。小型電気車両による配送についていえば、完全自動型は従来型の10%増となったようです。自動化によるエネルギー節約のメリットは、電力負荷の増加によって相殺されていました。また、すべての配送システムで、車両使用フェーズが温室効果ガス排出の最大の要因でした。
このことから研究者らは、電気自動車への切り替えと走行環境の脱酸素化が、持続可能な小包配送に最大の影響を与える可能性があるとしています。
参照元:Package delivery robots’ environmental impacts: Automation matters less than vehicle type/ University of Michigan
(文・山田洋路)