同社のモバイル通信部門の社長を務めるTM・ロー氏は、2機種を指し、「これがモバイルとっての新しいスタンダードで、新しいメインストリームのスマートフォンになる」とその狙いを語っています。

サムスン電子は、Galaxy Z Fold3/Flip3 5Gの2機種を発表した

Galaxy Zシリーズが新しいメインストリームのスマホだと語ったサムスン電子のTM・ロー氏
米国での999.99ドルという価格は、春に発売された「Galaxy S21+」と同じ。この機種は、日本ではauのみの取り扱いになりますが、価格は13万8730円、下取りを含めた実施価格は7万9810円です。ミドルレンジモデルのスマホが増えている中、これでもまだ高めであることは事実ですが、重要なのは、フォルダブルスマホがハイエンドモデルと同価格で買えるようになるということ。TM・ロー氏がスタンダードと述べていたのはそのためで、ハイエンドモデルの上に位置づけられていたこれまでのフォルダブルスマホより、普及が見込めそうです。

Galaxy Z Flip3 5Gは999ドルからと、ついに1000ドルを切った
先代のモデルとなるGalaxy Z Flip 5Gからの進化点としては、防水に対応したことや、折りたたんだときに使用するサブディスプレイが大型化していること、メインディスプレイが120Hzのリフレッシュレートに対応していることなどが挙げられます。Snapdragon 888を搭載したフォルダブルスマホとしては、破格の安さと言えるでしょう。

防水に対応し、水場での利用シーンが広がった格好
フォルダブルスマホのディスプレイは折りたたむため、一般的なスマホより柔らかなディスプレイガラスが採用されていますが、サムスン電子はSペン側に衝撃を吸収する機構を盛り込むことで傷がつく問題を解消。画面中央でもきちんとペンの動きを認識するよう、ディスプレイに内蔵するデジタイザは2つに分割したものを一元的に管理する仕組みを取り入れています。

フォルダブルスマホとして初めてSペンに対応した
また、メインディスプレイ側はノッチレスになりました。画面内にインカメラを埋め込み、撮影時に透過する仕組みを採用したためです。画面埋め込み型のインカメラは日本で発売された楽天モバイルの「Rakuten BIG」などに搭載されていますが、こちらもフォルダブルスマホとして初。動画や写真を画面いっぱいに表示した際に妨げにならず、Sペンを使う際にも広々と画面を使うことができるため、まさにフォルダブルスマホに最適な技術と言えるでしょう。

インカメラをディスプレイの下に隠し、大画面で快適に動画の視聴を行える
一方で、フォルダブルスマホは、カメラやディスプレイの性能を強化する以上に、ユーザーにとって分かりやすい進化であることも事実。カメラやディスプレイの性能を単純に強化するだけのハイエンドモデルにはなびかなかったユーザーを引きつけるだけの魅力もあります。その意味で、Galaxy Z Flip3/Fold3 5Gの2機種は、ハイエンドモデルのすそ野を広げる1台になりうる可能性を秘めていると言えるかもしれません。日本での発売も今から楽しみです。