タブレット端末の画面を通じて、キャラクターが絵本の上を歩き回ったり、庭先で子供の周囲を走り回る。この技術を支えているのは、AR(拡張現実)技術だ。
今回発売された「プリンセス・プーパックとナオ」は、世界初の本格AR絵本となる。レキサスのコーポレートデザイン部、安田陽(やすだよう)氏に話を聞いた。
Q、この商品の特徴を教えてください。
「AR(拡張現実)技術を使った仕掛けが24ページ全てに組み込まれています。従来の絵本には『想像力を養う』という大きな役割がります。
『プリンセス・プーパックとナオ』では想像力だけでなく、アート感覚、グローバル感覚、テクノロジーへの興味といった、これからの時代を作る子どもたちに身につけてほしい感性と好奇心を、スマートフォンやタブレット機器を使って楽しみながら自然に育んでゆくことができる工夫を施しました。
また、AR絵本の大きな特長と言えるのが、親子が同じ温度感で楽しめることです。リアルとバーチャルの融合が織りなす不思議な世界で踊り、歌い、走り回るこびとの国のキャラクターたち。
そして多言語に対応した音声ナレーション 〜日本語は俳優の小林薫さんや声優初挑戦の高橋尚子さん〜 など、世代を超えて純粋に楽しめるコンテンツを開発し絵本として届けることで、親と子どもの新しいコミュニケーションの形を提案しています。」
Q、商品紹介ビデオで、自分の部屋でキャラクターが踊っているのを見てはしゃぐ子供達の姿が印象的でした。AR技術の面白みだと思うのですが、この技術に着目して絵本を開発するに至った、社長のバックグラウンドと開発のきっかけを教えてください。
「代表はもともと学生時代に起業し、コンシューマー視点に立ったオリジナルサービスの企画開発にこだわってきました。
スマホやタブレット機器が登場してからはアプリという形一般消費者の皆さまにさらに近い商品でテクノロジーを活用したいと考える中、AR技術のスペシャリストである株式会社エルバホールディングスとの出会いがあり、全ページにARを組み込んだ3〜6歳向け絵本の共同開発が実現しました。」
Q、絵本を使ってみたお子様達の反応や、親御さん達の反応はいかがでしたか?
「これまで保育園や親子向け施設、また書店での体験イベントなどで実際に触って頂いたのですが、どの会場でも子どもたちが目を輝かせて純粋に楽しんでくれていたのが印象的でした。
特に人気なのは『かくれんぼ』のページです。ここでは絵本のキャラクターがデバイスの画面を通じて自分の周囲を走り回る仕掛けになっていて、どの子どもたちも大はしゃぎでした。
また、3D化されたオモチャの恐竜をリモコン操作できるページも男の子に人気がありますね。女の子に人気なのは、ピンクのサイのキャラクターがかわいい仕草で踊りながらケニア国歌を歌うページです。加えて、外国語のナレーションを子どもといっしょに聴ける、学べるというところも親御さんたちにご好評をいただいています。」
Q、今後御社はどのような商品を発売する予定ですか?
「実はこの秋にAR絵本の第2弾を発売する予定です。この作品では、ARのクオリティへのこだわりはもちろんですが、私たちのオフィスがある沖縄ならではの文化や考え方も取り入れながら、よりオリジナリティのあるものに仕上げたいと思っています。ぜひご期待ください。」
商品は現在Amazonから購入可能で、2,484円。ARコンテンツはiOS,Android端末対応だ。なんといってもこの絵本の特徴は、子供も大人もビックリするような楽しさだろう。タブレットを通して、触って、一緒に歌いながら学べる絵本。子供の想像力を刺激するリアルとバーチャルの融合で、業界に革命を起こすかもしれない。
AR絵本「プリンセス・プーパックとナオ #1 はじめまして」(紹介ビデオ)
「プリンセス・プーパックとナオ (#1 はじめまして) 」(公式ウェブサイト)
プリンセス・プーパックとナオ (#1 はじめまして) [単行本] 2,484円 (Amazon.co.jp)
(Writer: Saera Jin)