7月に発生した複数の浸水被害について実用検証を行った結果、河川氾濫の発生から数分で浸水被害の範囲をシミュレーションできることが実証されています。
AIを活用して仮想空間に現実を再現
スペクティが専門とするのは、AIを活用したデジタルツイン技術です。IoT デバイス等を通じて取得した情報をもとに、現実を模倣した仮想空間を再現して、さらにビッグデータ解析を駆使することで高度なシミュレーションを行うことができます。この技術を防災に生かします。河川の氾濫直後にほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定し、2Dおよび3Dのマップ上に再現する技術の開発を同社は進めています。
SNSに投稿された被災画像のたった1枚からでも、周囲の浸水の状況をモニタリングすることが可能。実際の画像と、既存の降水量データー、地形データを組み合わせることで投稿地点から10km 四方の状況を把握できます。
とっかかりとなる画像データはSNSの投稿だけではありません。道路や河川に設置されたカメラ等からの画像および映像からも利用することができます。得られる様々な情報を駆使して被害状況を可視化。被害が進行した場合の予想最大被害範囲などに取り組むことができるとのこと。
「危機を可視化する」で災害と上手く付き合う
静岡県熱海市伊豆地方の土石流災害が起こったことなども、今まさにその渦中にあります。水害は地震や津波などに比べれば大きく報道される機会に恵まれませんが、その被害はどれも生半可なものではないでしょう。先日は「冠水地点から離れた場所にも危険を周知する新システム」に関するニュースもTechable(テッカブル)で掲載しました。何よりも大切な命や住まいを守る頼れる技術開発がいま進んでいます。
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(文・川合裕之)