同センターは、以前にも汗をエネルギー源とするウェアラブルデバイスを開発していましたが、静止している間もエネルギーが得られるタイプのものは初となります。
汗に含まれる化学物質を電気エネルギーに変換
新しく開発されたウェアラブルデバイスはシート状のもので、最もよく汗をかく場所、指先に装着します。これにより、寝ているときや静止しているとき含め、24時間エネルギーが生成可能です。超吸収性のカーボン素材が汗を吸収して電気エネルギーに変換。電極には、汗に含まれる乳酸と酸素分子の化学反応を引き起こしてエネルギーを生成する酵素が備わっています。また電極の下には、圧電材料で作られたチップがあり、軽く押すことによってもエネルギー生成が可能です。
電気エネルギーは小さなコンデンサに蓄えられ、必要に応じて他のデバイスに放電される仕組みとなっています。
キーボード入力とマウスのクリックでもエネルギー生成
実験では、ウェアラブルデバイスは、10時間の睡眠から約400ミリジュールのエネルギーを収集できました。これは腕時計に24時間電力を供給するのに十分なエネルギーとのこと。また、1時間のキーボード入力とマウスのクリックにより、約30ミリジュールを収集しました。この実験では1本の指が利用されましたが、残りの指にもウェアラブルデバイスを装着すれば、さらに多くのエネルギーが得られます。
別の実験では、ウェアラブルデバイスを指先に2分間装着する、あるいは10秒おきに10回押すだけで、センサーと低電力ディスプレイへの電力供給が可能なことが示されました。
今後研究者らは、ウェアラブルデバイスの効率と耐久性を高め実用化を目指します。
参照元:Calling All Couch Potatoes: This Finger Wrap Can Let You Power Electronics While You Sleep/ UC San Diego News Center
(文・山田洋路)