研究者らは最初に市販の3Dプリンターの導入を検討しましたが、要求を満たすものが見つからなかったため、ゼロから自作することにしました。開発されたプリンターは、電気力を使用してマイクロファイバーを配置する「メルトエレクトロライティング(MEW)」との手法を用いたもので、超薄型フィラメントを3Dプリントできます。
直径1~10ミクロンのパーツのプリントが可能
市販の3Dプリンターでも100ミクロン単位でのプリントは可能なようですが、研究者らはさらに微細な構造をプリントしたいと考えていました。また、高性能な3Dプリンターは高価なことから、使い勝手が良い3Dプリンターを自作することに。まずはMEWテクノロジーがどのように機能し、どのような材料を使用する必要があるかを学ぶところから始めたといいます。3Dプリンターをゼロから開発したこと自体が驚きですが、その性能にも目を引くものがあります。研究者らによる3Dプリンターは、直径1~10ミクロンのパーツのプリントが可能。さらには、20 x 20mmの構造のプリントにかかる時間はわずか2分と高速です。
アプリケーションに合わせた調整が可能
性能やコストの面で魅力的なこの3Dプリンターは、自作がゆえにアプリケーションに合わせた調整が可能とのメリットもあります。研究者は新しい3Dプリンターについて、「教育と科学研究の両方にパーフェクトなツール」と説明しています。たとえば、組織や細胞培養用の足場、センサー、生物医学装置……なんかの作成に活用できるようです。
今回開発の3Dプリンターは将来的に、高度な積層造形クラスの研究ツールおよび教育リソースとして利用される予定となっています。
参照元:A 3D printer made entirely at EPFL/ EPFL News
(文・山田洋路)