作業時間を最大60%削減!?
棚割り業務は、「見やすく・選びやすく・取りやすい」売場づくりのための重要な作業です。しかし、売場規模や商品構成、顧客のニーズや購買行動の変化など、店舗ごとに異なるケースに対応しなければならないため作業負担は大きいといいます。そこで注目したいのが今回開発された「AI自動棚割り生成アルゴリズム」。これは、人が作成した基本パターンをもとにその商品構成や配置に準拠しつつ、拡大・縮小パターンを自動的に作成できるというものです。これを活用することで、棚割り作業時間が最大60%削減できると見込まれているとか。
今回の実証実験を通じ、効果検証とさらなる改善・効率化を進め、将来的には、AIの進化により店舗周辺の地域特性や顧客の購買行動の変化を検知し、より効果的な棚割りを自動生成できるようにしたいとのことです。
棚割り業務のDX
ではここで、「棚割り作業の自動化」を実現するサービスをいくつか紹介しておきましょう。例えば、日本電気株式会社(NEC)が提供する「売場情報画像解析サービス」。商品棚をスマートフォンのカメラで撮影し画像認識を行うことで、商品の陳列(棚割)状況を高精度に解析できるサービスとして2018年9月に提供を開始し、キリンビールやカルビーなどに採用されました。なお、2020年9月には株式会社山星屋と共に同サービスのオプションサービスとして、約10万品の菓子商品のマスタデータを提供する「商品マスタデータ提供サービス」をリリースしています。
また、株式会社NTTドコモも、スマートフォンやタブレット端末で撮影した売場の棚割画像から商品情報や位置情報を判別し店頭陳列(棚割)のデータ化を可能にする「棚SCAN-AI」を開発。ドコモのAI技術とサイバーリンクス社の商品画像データベースを組み合わせることで実現したサービスで、物体検出エンジンと特定物体認識エンジンで「どこに、何が並んでいるのか」を判別します。
さらに、株式会社ローソンや株式会社電通、サントリーホールディングス株式会社など200社以上が参画する「リテールAI研究会」も、「棚割り最適化分科会」 にて、AIによる自動棚割の可能性検討を実施中です。
PR TIMES
(文・Higuchi)