こうしたなかカリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、ゴキブリと同等の速度で走れるロボットを製作。レゴブロックの迷路での実証に成功しています(動画あり)。
クモが壁にくっついて走り回る原理を応用
研究チームは、クモなどの昆虫が壁にくっついて走り回るときの「静電接着」と呼ばれる原理を応用しています。ロボットは、電圧が印加されると曲がったり収縮したりする薄い層状の材料で構成されていて、足と地表の間の静電力を調整することで絶妙な制御と敏捷性を実現しています。このシンプルな設計により、複雑な地形の横断や障害物の回避が可能に。毎秒体長の20倍(時速約2.4km)の速度で走行できるようになりました。相対速度は昆虫サイズのロボットの中で最速とのことです。
昆虫ロボットが獲得したチーターの敏捷性については、動画で確認できます。
バッテリー電源で19分稼働
高速昆虫ロボット自体は研究チームが以前に製作したものです。今回新たに2つの静電フットパッドが追加されました。どちらかのフットパッドに電圧を印加すると、フットパッドと地表の間の静電力が増加し、地表にしっかりと付着します。これにより高速な旋回を実現。オペレーターは正確にロボットを制御できるようになりました。高速なのに加えて消費電力がわずかで、研究チームは電線で繋がれているタイプのほかに、バッテリー電源で最大19分/31mの走行が可能なタイプの製作しています。
軽量で耐久性があるのも特長で、落下物に押しつぶされても走り続ける様子を捉えた動画も。パワフルさも備えているため、バッテリーのほかにもセンサーや電子デバイスの持ち運びも可能とのことです。
参照元:Insect-sized robot navigates mazes with the agility of a cheetah/ Berkeley News
(文・山田洋路)