ユーザーのオンライン閲覧状況を追跡するユニークなデバイスの開発が、Royal College of ArtとImperial Collegeの共同チームによって進められているという。Sanya Rai氏、Florian Puech氏らが手がけた「Amoeba」というヘッドセットで、これは3Dプリントで作られたウェアラブルデバイス。装着者のバイオメトリックデータを測定し、それに基づいて、ユーザーがWebページ上のどこに関心をもっているのかを査定する。
「Amoeba」には、カメラ機能をもったレンズがついていて、このレンズが装着者の瞳孔拡張を記録する。またヘッドセットのアーム部分には皮膚の伝導率を計測するセンサーや、熱を感知して呼吸数を測るセンサーが内蔵されていて、これらの機能がユーザーの生体データを集める。
この測定データを専用のソフトウェアが解析して、ユーザーのオンラインでの“閲覧状況の概要”をシンプルにビジュアル化して提示してくれるという。どのコンテンツに興味を引かれたのか、または興味を引かれなかったのかといった点や、あるページにアクセスするまでにたどったルートなどを、改めて見直すことで、ユーザーのオンライン上の振る舞い、傾向を知るきっかけとなるだろう。
このデバイスの用途としては、広告主がより効果的な広告やキャンペーンをオンラインページ上に展開させるのに役立てられるほか、オンラインの教育プログラムなどで、生徒がどのコンテンツにどれくらい熱中しているのか測定するといったことなどにも活用できそうだ。人間の心理は目に見えないものかと思いきや、思った以上に体に出ているものなのだろう。
Amoeba