2021年第1四半期も成長トレンド
カウンターポイント社の調査によると、世界のTWS(完全ワイヤレスステレオ)ヒアラブル市場は、2021年第1四半期も成長トレンドを維持しているようです。同社によると「前年同期比の成長が最も大きかった国は中国であり、また最大シェアとなったのは引き続き北米という結果となりました。Appleは引き続き同市場を支配したものの、競争が厳しくなったことと最近新製品の投入がないことから、そのシェアは低下」。
また、二番目にシェアが大きいXiaomi(シャオミ)も、前の四半期と比較して多少シェアを落としました。その一方、Samsung(サムスン)は前の四半期からシェアを伸ばし、二位との差を縮めました。こう俯瞰してみると、サムスンという例外を除けば、やはり中国とアメリカが世界のTWS市場を牽引していることは間違いありません。
高価格帯は持ち直しつつある
一方で興味深い点は、100米ドルを超える「高価格帯セグメント」のシェアは、COVID-19の流行の最中、中位機種や低価格モデルを求める消費者の増加に伴い、昨年から低下傾向にあること。ただ、この「高価格帯セグメント」のシェアは2020年第4四半期にわずかに増加に転じ、2021年第1四半期にはシェアは46%に回復。ゆっくりとではあるものの、市場の中心は中位~高級機に移りつつあることを示唆しています。この点に関して、カウンターポイント社シニアアナリストLiz Lee氏は「ワクチンが消費者心理をさらに改善するだろう。下半期に向けて、各企業は需要の変化に備える時期に差し掛かっている」と述べました。
またこの市場で「王者」であるAppleも、うかうかはしていられません。同社は100米ドル超のセグメントを57%のシェアで支配しており、これに17%のシェアでSamsungが続いています。一方で、100米ドル以下のセグメントでは、Xiaomiを含むトップ10社のシェア合計は、参入企業の多様化と競争激化を受けて低下。今後ますます市場が拡大しそうなTWSですが、コロナ禍の影響をどのように吸収できるかに注目していきましょう。
PR TIMES
(文・Takeuchi)