TOMPLAは、2021年3月22日に設立されたスタートアップ企業。かねてよりドローンの開発支援などに積極的な新潟市と連携した日本初の同実験が、同社にとって初めての大きなプロジェクトとなりました。
パスタや書籍が駅前上空を飛ぶ
同実験は、駅前ビルのプラーカ1に入居する丸善ジュンク堂書店とカフェオードリーの商品を注文に応じてドローン配送するというもの。実際に店舗スタッフが商品をドローンに積載するオペレーションを確認し、ドローンはプラーカ1の屋上を出発。プラーカ2上空(駅前の目抜き通り)を飛行し、約180m先のプラーカ3の屋上へ着陸しました。今回は新潟市長も注文者として参加。プラーカ3の屋上にて、温かい新潟県産米粉パスタを受け取っています。新潟市は、「NIIGATA SKY PROJECT」として2010年よりドローンの開発支援を開始し、2012年にはフランス・ボルドーでのドローン国際展示会に国内で初めて出展しました。2019年からは長時間滞空型の大型ドローンの開発支援も始め、西区での飛行実証、西蒲区での4時間連続無着陸飛行の実証をサポートしています。
今回の実験は、都市部でのドローン宅配を目指す「新潟ドローン宅配カタパルトプロジェクト」の一環として実施。今後ドローン物流の拠点を目指す同市、国内でのドローン物流サービスの一般化を目指す同社にとって大きな一歩となりそうです。
レベル4の実現に向けて
同社は、2022年以降に新潟県内のドローン宅配モデルを確立し、国内への展開を図るとしています。無論、2022年以降というのは、都市部でのドローン配送に必須となる「有人地帯の目視外飛行」いわゆる「レベル4」を見据えているからでしょう。ドローンに関する施策を議論する「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」は、「空の産業革命に向けたロードマップ~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」をとりまとめ、その中でレベル4実現を「2022年度を目途に」と示しています。そのために「機体の安全性に関する認証制度(機体認証)」「操縦者の技能に関する証明制度(操縦ライセンス)」を創設するなど段階的な環境整備が進められてきました。
この流れの中、国内でもレベル4を見据えた取り組みが活性化。例えば、KDDI株式会社とパーソルプロセス&テクノロジー株式会社は、レベル4でのビジネスモデルの検討とユースケースを想定した実証実験を行うことを明らかにしています。また、KDDIのスマートドローンプラットフォームはすでにレベル4に対応。さらに、株式会社自律制御システム研究所(ACSL)と株式会社エアロネクストおよび株式会社ACCESSが開発中の物流用ドローン向けソフトウェアもレベル4に対応する予定です。
PR TIMES
(文・Higuchi)