そんな中で本格リリースされたのが株式会社welldayが提供する「wellday(ウェルデイ)」。独自のAIで従業員のコンディションを分析してくれる業界初のクラウドサービスです。
独自AIで従業員のコンディションをチェック
従業員のコンディションをリアルタイムで把握し、効率的な組織運営を可能にするwellday。約1年間β版の提供を行ってきましたが、5月に正式版がリリースされました。このサービスでは、Slack、Teamsなどコミュニケーションツール上のテキストデータをAIがチェックすることで、無駄なサーベイコストを省いてモチベーションの改善などに役立てることができます。
welldayの3つの特徴についてご紹介しましょう。
1つ目は、SlackやTeamsと簡単に連携できるという点です。無駄なサーベイコストを削減しながら従業員のコンディションを把握することができます。
2つ目は従業員のコンディション低下の原因を把握できる点。AIが独自のワーク・エンゲージメントスコアを算出し、スコアが低い従業員にサーベイ形式で低下要因をヒアリングすることが可能です。
そして3つ目は従業員コンディションの向上に役立つwelldayオリジナルライブラリーが充実している点。welldayでは従業員のコンディションに関するノウハウTipsや事例をライブラリー形式で閲覧することができるため、日々の業務改善に役立てることができます。
では、welldayは具体的にどのような課題を持った会社に使ってもらうことを想定しているのでしょうか。同社代表の牟田吉昌氏は次のように話しています。
休職者や離職者が出てきてしまい、従業員のコンディションを把握したい企業などに導入をおすすめしています。他にもサーベイの回答率が低かったり、設計や運用コストがかかることを課題に感じている企業様にもwelldayを使用してもらいたいと思っています。
昨今のリモートワーク環境においては、会社側が従業員のコンディションを正確に把握することがますます難しくなってきています。
従業員との対面でのコミュニケーションが制限されるなかで予期せぬ離職を防ぐためにも、日常的なコミュニケーションのなかから従業員のコンディション把握をすることが重要になってくるでしょう。
不安を感じさせない従業員ファーストのデータ・プロダクト
welldayはすでに多くの企業に導入されています。実際に導入することで企業にどのような成果があったのか、牟田氏に聞いてみました。例えば、導入先の株式会社ROXXからは、welldayを通してリアルタイムでコンディションを把握できるようになり、従業員の変化の初期段階で気づけるようになったという声をいただきました。
会社全体やマネージャー陣が変化を確認するために従業員のコンディションに敏感になり、「スコアが下がったからちょっと話を聞いてみよう」という風にコミュニケーション量が増えて組織の進化を実感いただいています。
また、コンディション管理ツールを活用するにあたって重要なのは「従業員の理解を得ること」です。welldayではβ版から正式版へのアップデートの際して、社内に導入しても理解を得られるように細かな修正が施されました。
例えば、β版ではSlack内でのアクティブ時間や返信速度など、直接的な行動に関わるデータを開示していました。しかし、これらのデータは従業員が「監視されている」と不安に感じてしまうことから、正式版では個人の行動データ表示を全項目取りやめています。
また正式版では、ワーク・エンゲージメントの予測結果を製品上に表示するようにアップデートが行われており、従業員が不安を感じにくい設計に改善されています。
ここで生じるのが、「従業員がwelldayを意識しすぎてコミュニケーションがしづらくならないか」という疑問です。
従業員がスコアを高くしようとしてわざとポジティブな単語を使うなど、正しく従業員の状態を測れなくなるということはないのでしょうか。
welldayでは、最新の技術を活用した人工知能を用いており、数億ものコミュニケーションの表現パターンの組み合わせを解析し、総合的にワークエンゲージメントスコアを算出しています。そのため、特定の表現のみを増やすことでスコアを変化させることは難しいと考えられます。
また、算出の具体的なロジックは、人事や経営者の方も含め、従業員の方に対して公開していないので、スコアを故意に変化させることは困難です。
アップデートにより従業員の不安を減らしながら、日々のコミュニケーションに影響を与えずにコンディションの把握ができる点がwelldayの優れている点と言えるでしょう。
従業員のコンディションの変化を即座に見つけることができるwellday。チームのコミュニケーションに課題を感じている会社にとって、エンプロイーサクセスを実現するための力強い味方になってくれそうです。
(文・江連良介)