認知度と利用状況のギャップ
まず、スマートスピーカーの認知度に関する質問では、「どのようなものか、内容を知っている」が31.2%、「聞いたことがある程度」が50.1%となり、認知率としては8割強となりました。この認知率を、過去の同じ調査の第1回(2018年2月)、第2回(2019年4月)、第3回(2020年4月)と比べると今回が一番高いという結果になっています。次に、スマートスピーカーの利用状況について。スマートスピーカーを自分で利用している人は「自分だけで利用している」「自分を含む同居家族で利用している」を合わせて8.3%、「自分は利用していないが、同居家族が利用している」という人は2.7%となり、回答者あるいはその家族の利用率は1割強にとどまりました。この1割強という数字は第1回では6%だったことから、若干伸びてはいますが、認知率からすると少ない数字と言えるでしょう。
利用者への調査
では、スマートスピーカー利用者は、どのデバイスでどんな機能を利用しているのでしょうか(ともに複数回答)。世帯利用者30%台が利用していると答えたデバイスは「Amazon(Amazon Echo、Echo Dotなど)」と「Google(Google Home、Google Home Mini、Google Nest Hubなど)」で、次いで「Apple(HomePod)」が11.6%、「ソニー(LF‐S50G、SRS‐XB501Gなど)」が6.4%となりました。利用している機能は、「天気予報を聞く」が最も多く55.9%、以降「音楽を聴く」が47.9%、「ニュースの読み上げ・画面表示」が34.5%、「アラーム・時報、タイマーの設定」「時刻の確認」「言葉の意味を調べる、翻訳」が各20%台となっています。
今後の利用意向、ユーザーは8~9割
続いて、スマートスピーカーの利用意向について。今後スマートスピーカーを使いたいと答えた人は全体では2割弱にとどまり、第1回目から今回まで大きな差はありません。しかし、自分で利用している人(自分だけで利用、自分と家族で利用)に限って見ると、8~9割が今後も利用したいと回答しています。なお、「使いたくない」と答えたのは全体の約45%、非利用者に限れば5割という結果になりました。同調査では、スマートスピーカーを利用したいと思っている人を対象に「スマートスピーカーでやってみたいこと・利用したい機能」「スマートスピーカー購入時の重視点」を聞いています(ともに複数回答)。
結果、「やってみたいこと・利用したい機能」の1位は「天気予報を聞く」の56.8%、「音楽を聴く」「ニュースの読み上げ・画面表示」が各40%台となり、実際が利用者が使っている機能と一致することがわかりました。なお、第2回の調査以降、この3つの機能が「やってみたいこと・利用したい機能」のトップ3を維持しています。
「購入時の重視点」としては、「本体価格」が53.1%と最も高く、「メーカー・ブランド」46.4%、「AIアシスタント」38.6%と続いています。
これらの結果から、スマートスピーカーの認知率は高いものの、本格的に普及しているとは言えないことがわかるでしょう。しかし、利用者の今後の利用意向が高いことから、UXは高いことも伺えます。今後、本体や音声で操作できる家電の価格帯が下がることがあれば、より多くの人が気軽に利用でき、利用率向上に期待できるかもしれません。
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(文・Higuchi)