人は、スマートフォンなどを操作するとき、画面をタップしたり、スワイプしたりするが、それぞれの人のしぐさには特徴が見られ、“タッチのクセ”とでもいうべきものが認められるという。
ある者は非常に素早くスワイプするし、ある者はゆっくりと画面を動かしていく。また、チェックボックスに記入するときにも、人によってスクリーンをタップするときの指の圧力が異なる。
研究チームが開発した「LatentGesture」というソフトウェアは、これらの“ユーザーのしぐさの個性”をモニターし、データを分析、学習して、各ユーザーごとにカスタムプロフィールを完成。そして、デバイスの使用者が普段と違う動きのパターンを見せた場合、イレギュラーを検出し、自動的にロックがかかるようになっている。
研究チームでは、被験者1人にタブレットを1台ずつ渡して、20の項目を含むテストを繰り返しおこなったところ、“ユーザーごとの個性”をシステムが学習し、それ以外のユーザーが使用するとロックがかかることを確認。Androidスマートフォンでは98%、タブレットでは97%の精度という結果を得ている。
このシステムがあれば、毎週のようにパスワードを変更する必要がなくなるほか、万一、自分のスマートフォンが他人の手に渡った場合でも、スマートフォン内の情報がやみくもに流出する心配もない。また、家族のアプリを管轄している親の端末が、子どもに勝手に操作されてしまうような事態も防げるだろう。タッチスクリーンの時代だからこそ、このような技術の一般化が待たれる。
LatentGesture