このような状況を打破してくれそうなのが、シャープ株式会社が開発するそしゃく回数計「bitescan(バイトスキャン)」。新潟大学大学院 医歯学総合研究科 小野高裕教授の研究「ウェアラブルデバイスを用いて“噛む”を行動変容することによる食生活の適正化」に活用されているデバイスです。
食習慣を可視化
「bitescan」は、耳にかけて噛む回数を計測・記録するデバイス。スマートフォンアプリと連動し、そしゃく回数やスピードを数値化することができます。なお、そしゃく回数はリアルタイムに表示することも可能。また、そしゃく回数の他、食事時間や一口の大きさ、食べるときの姿勢などを評価する機能も搭載し、食事のときのさまざまな習慣を可視化してくれます。
さらに、最大30人が同時に「bitescan」を使用し、そしゃく回数を競える「bitescan party」という機能も。食に関するイベントや学校での食育の一環として活用できるようです。
食事画像解析を組み合わせると……
「bitescan」を活用することで、個々人のそしゃく回数などを可視化することができますが、「何を食べたときに何回噛んでいるのか」といった食事内容とそしゃくの相関を記録することはできません。そこで、食事・運動・体重管理アプリ「カロミル」を提供するライフログテクノロジー株式会社の食事画像解析APIを採用。約20,000品目を判別するAIが食事の写真1枚から料理と栄養素をすぐに解析する食事画像解析技術により、「堅い食べ物なのによく噛んでいない」「どういった食事の時にそしゃく回数が減るのか」など食事とそしゃくの関連性が見えてくるといいます。
食事とそしゃくを関連付けたデータを蓄積することで、ゆくゆくは「◯◯を食べるときにそしゃく回数が〇回以上の人は、◯◯病の罹患リスクが少ない」などのエビデンスに基づく情報から最適なそしゃく行動のアドバイスを行うことができるのではと考えられているようです。
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(文・Higuchi)