そんなIvantiが2021年2月、北米・英・ドイツ・フランス・日本・中国の18歳~60歳の男女4,157名を対象に、QRコードに関する調査を実施し、その結果を公開しています。
使用率、日本は最下位
日本企業の株式会社デンソーウェーブが1994年に開発したQRコードは、今や国内では駅などの公共施設やシェアリングサービスのレンタルスポットをはじめ、文房具やお菓子などでも目にすることが増えました。しかし、今回の調査では、「QRコードを使ったことがありますか? 」という質問に対して英国が最も多く9割以上、次いで中国が8割以上となり、他のエリアも7割を超える中、日本は約6割にとどまり、対象エリアの中で最低という結果になりました。また、使用率上位2位の英国と中国は「過去12ヶ月でQRコード決済が使用できる場所が増えたと感じますか? 」という質問でも上位に。「とても増えた」「増えた」「やや増えた」と回答した人の割合が1位の中国で9割以上、2位の英国で約8割となっており、コロナの影響で高まった非接触ニーズによりQRコードが一気に拡大したと推察されています。
中国のQRコード活用法
では、QRコードの用途はどうでしょうか。今回の調査では「支払いや金融取引でQRコードを使用したことがありますか? 」「仕事でQRコードを使用しますか? 」といった質問がありました。2つの質問ともに「はい」と答えた数は中国が突出しています。これは、中国ではアリペイやWeChat Payが普及していることや、店舗決済や交通機関に加えオフィスの入退室管理、自身の健康状態の証明などでの活用が広がっていることが関係していると考えれているようです。
なお、クレジットカード社会の北米は2つの質問ともに「はい」の割合は2割前後。日本を含む4エリアは4割~5割と大差ない結果となりました。
日本と中国の意識の差
ここまでの結果を見る限り、QRコードが最も浸透していると思われるのは中国ですが、「QRコードを使用することに抵抗はありますか? 」という質問で最も高い数字を出したのも中国です。この背景には、QRコードを読み取った際に怪しいサイトなどに誘導された経験がある人が多いことがあるのかもしれません。この趣旨の質問に中国は7割以上が「はい」と答えています。そして、「悪質なQRコードの判別はできますか? 」「モバイル機器にセキュリティソフトウェアをインストールしていますか? 」というセキュリティ意識を問う2つ質問でも約8割が「はい」と回答するなど、中国の危機意識が明らかになりました。
日本に目を向けると、QRコードで不正を体験した人は4割未満でしたが、セキュリティ意識の低さも浮き彫りとなったようです。また、「将来QRコードの使用が拡大してほしいと思いますか? 」との質問で「はい」と答えた割合が対象エリアで最下位という結果も出ています。頻繁に目にすると思っていたQRコードですが、こうしてみると日本はまだ「QRコード後進国」と言えるのかもしれません。
PR TIMES
(文・Higuchi)