そんなエアロダインが、新たに農業分野への進出を本格化。ドローンを活用して農作物の健康状態や収穫量をモニタリングすることにより、データを活用した精密農業を実現できるサービス構築を目指しているようです。また、2020年11月より、同社の日本法人エアロダインジャパン株式会社が株式会社自律制御システム研究所(ACSL)と連携を開始し、ドローンの有人地帯での目視外飛行(レベル4)実現に向け動き出しています。
エアロダインの取り組み
東南アジアでは、コメ・パーム・パイナップルなどのプランテーション型農業が一大産業となっていますが、労働集約的で環境負荷が高いケースが多いようです。そこにドローンを活用し、データ分析に基づいた効率的かつ精密な農業を実現しようというのがエアロダインの狙い。すでに、マレーシアの最大手農場保有企業複数社との実証実験を開始しており、2022年以降にはインド・インドネシア・タイにも展開予定のようです。また、エアロダインジャパンは、ASEANにてドローンの連続飛行試験が実施できる体制を構築すべく2020年11月にACSLとの連携を開始。第1弾としてマレーシアにてACSLの産業用ドローン「ACSL-PF2」および「Mini」を用いた1000時間にもおよぶ連続飛行試験を実施しています。この飛行試験によって、今後、法整備が進むレベル4の実現に重要となる十分な飛行時間やリスクレベル評価、安全性・信頼性を示すための基礎データを取得するとのことでした。
資金調達も
そんなエアロダインはこのたび、リアルテックホールディングス株式会社が運営するリアルテックグローバルファンド、農業領域に強みを持つKOBASHI HOLDINGS株式会社、そしてACSLを引受先とした第三者割当増資を実施。これは、日本市場進出および将来的な東京証券取引所での上場を検討するための戦略的な調達のようです。そして今後は、新たな農業分野への進出および日本市場での事業拡大を加速するとみられます。ちなみに、エアロダインは2021年1月に世界最大級の国際輸送物流会社であるDHL Express社と業務提携契約を締結しており、医療物資や必需品などのドローン配送の実用化へ向けた動きも活性化。幅広い領域に展開する同社の事業の成長に注目したいところです。
PR TIMES(エアロダインジャパン株式会社)
PR TIMES(リアルテックホールディングス株式会社)
(文・Higuchi)