発電所の保安業務のスマート化
今回の実証実験は、新たなデジタル技術を活用し、電気の保安業務のスマート化を目指すもの。現在、人間が現地で実施している定期的な設備の巡視点検をローカル5Gおよび4K対応ドローン等が代わりに実施。具体的には、火力発電所およびLNG基地の屋外設備を4K対応ドローンおよびARグラスで撮影し、ローカル5Gで中央制御室へ無線伝送します。これにより、中央制御室で設備の状態を高精細な映像で監視可能です。
この取り組みによって、異常を早期に発見したり、故障を未然に防いだりすることもできると期待されています。業務効率はもちろん、安全性の向上にもつながるでしょう。
官民連携で推進するスマート保安
官民が連携して推し進めているスマート保安の実現を目指し行われる今回の実証実験。スマート保安とは、技術革新やデジタル化、少子高齢化等の環境変化に対応した産業保安に関する主体的・挑戦的な取り組みのこと。背景には、各インフラ設備の高経年化、人材の高齢化とその長期的な不足、技術・技能伝承力の低下に加え、災害やテロリスク、社会の変化に伴う構造的な課題や様々な環境変化への対応が求められていることがあります。さらに、感染症リスクに直面する中で、事業継続を確実なものとする必要もあるのです。
企業は新技術の開発、実証、導入や、スマート保安を推進するための人材育成等を展開し、国はそれらを支援しています。今回の実証実験は、スマート保安推進のわかりやすい一例と言えるでしょう。
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(文・和泉ゆかり)