なお同実験は、輸配送の効率化による二酸化炭素排出量の削減および災害時も含めた持続可能な物流網の構築を同時に実現する事業の計画策定を目的にドローン飛行の実証を行う、環境省と国土交通省共同の事業の一環で実施されたものです。
そのため、災害時を想定した防災への利活用にも可能な飛行とデータの取得に加え、物流へのドローン活用によるCO2削減効果の検証も実施しています。
実証成功! そして今後は……
同実験は、福井県越前町の町立ホッケー場を配送拠点とし、中継拠点である宮崎コミュニティセンターおよび織田コミュニティセンターへ約1㎏の物資を片道約30分で運搬するというものです。ドローンに衝突回避センサーや360度カメラを搭載し、リアルタイム監視とドローン本体およびクラウドシステムでのデータ記録を行いました。飛行管制は、A.L.I.開発のトラフィック管理プラットフォーム「C.O.S.M.O.S」を活用。カメラ映像や飛行パタメータ情報などを確認可能にしています。
操縦は遠隔・手動の両方に対応し、トラブル発生時の着陸・墜落場所の予測と可視化や、ドローンの飛行中を喚起する看板の設置、複数のドローンの飛行情報をリアルタイムで閲覧できるシステムの実装など安全への配慮も万全の体制で実施されました。
同実験の成功を受け、今後はA.L.I.東京オフィスなどのドローンオペレーティングルームからの遠隔での運行管理を行うとともに、今回の中継拠点から孤立集落までの運搬を実証していくとのことです。
A.L.I.が目指す「エアーモビリティ社会」
A.L.I.は、クルマやバイク、ドローンが自由に空を飛び交う「エアーモビリティ社会」の実現を目指す企業。「ドローン・AI事業」の他、実用型ホバーバイクの販売を目指す「エアーモビリティ事業」、世界中のコンピューティングパワーをシェアリングする「演算力シェアリング事業」などを展開しています。これまでに、ホバーバイク「XTURISMO LIMITED EDITION」やAIエッジコンピューター搭載ドローン「A.L.I. Number One」、トラフィック管理プラットフォーム「C.O.S.M.O.S」などを開発したり、ドローン操縦士の提供を行ったりと多角的にエアーモビリティ社会実現を目指してきました。
同社代表取締役会長の小松周平氏は、これらの開発を通じ、技術や知見を蓄積しつつ、法整備後すぐにプロダクトや航空管制システムが提供できるようにと考えているようです。
PR TIMES
(文・Higuchi)