また、東京国立博物館では、3月23日から特集「鳥獣戯画展スピンオフ 動物表現の古今東西」を、4月13日からは特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」を開催。同VR作品とあわせて鑑賞することで、より深く『鳥獣戯画』の世界を楽しめるという。
有名な甲巻にフォーカス
『鳥獣戯画 超入門!』は、平安時代の後期から鎌倉時代につくられたとされる絵巻物『鳥獣戯画』を詳しく、わかりやすく解説する作品。『鳥獣戯画』は、甲・乙・丙・丁の全4巻で構成され、その一部には現在の漫画に用いられる手法が見られることから「日本最古の漫画」と称されることもあるとか。同作品は、主にウサギ・カエル・サルなどが擬人化されて描かれた有名な甲巻にフォーカスした作品となっている。
同作品では、大画面に絵巻を繰り広げるようにして動物たちの動きや表情に注目しながら解説していく。冒頭では、甲巻に登場する動物たちの様子を臨場感のあるアニメーションで表現。その後、進んでいく絵巻に沿って「何が」「どのように」描かれているのか、描かれた当時の文化・風習にも触れながら紹介するという流れだ。
また、来場者に配布するうちわを使った簡単なクイズコーナーもある。甲巻にまつわるクイズに参加しながら、世代を問わず作品への理解を深めてもらおうというのが狙いのようだ。
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特集・特別展も開催
『鳥獣戯画 超入門!』とあわせて楽しめるのが、特集「鳥獣戯画展スピンオフ 動物表現の古今東西」と特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」。特集は、同館本館14室・特別1室・特別2室にて6月6日まで、特別展は同館平成館にて5月30日まで開催している。ちなみに、『鳥獣戯画 超入門!』は7月11日まで。特集のそれぞれの会場では、『鳥獣戯画』に登場する動物たちの表現から、動物たちがどういう存在として描かれたのかを探ったり、VR作品同様に甲巻に焦点をあてたり、乙巻・丙巻・丁巻に焦点をあてたりしている。一方、特別展では、全4巻の全場面が展示される予定だ。『鳥獣戯画』の全巻を知ることで、いまだに判明していない『鳥獣戯画』の主題や作者などに近づけるかもしれない。
『鳥獣戯画 超入門!』を制作した3者は以前、東京国立博物館の一部をVRで再現した「バーチャル東京国立博物館」の開設でも協業している。東京国立博物館におけるVRなど先端技術を活用した取り組みには今後も注目していきたい。
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(文・Higuchi)