ディーゼル車がほぼ姿を消す
2021年2月の欧州新車市場では、前月から引き続き販売台数の減少が続いた。当月の販売台数は約84万台となり、2020年2月の約106万台と比べて20%も減少している。同社グローバルアナリストであるFelipe Munoz氏は「渡航制限が続き、消費者が自宅にとどまる限り、業界は引き続きマイナスの結果を見ることになるだろう」という。注目したい点は、ディーゼル車の市場がますます厳しくなっているということだ。自動車の電動化競争が激化するなか、マイルドハイブリッド(MHEV)を含むディーゼル車の販売台数は33%減の約22万台にとどまり、新車販売台数全体の27%だった。JATO Japanは「三菱、ホンダ、トヨタ、マツダ、ミニなどのブランドの販売構成から、ディーゼル車はほぼ完全に姿を消した」と述べている。
プジョーが躍進
しかし、暗いニュースばかりではない、低公害車のピュアEV(BEV)およびプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は、2月も引き続き好調な販売を維持した。販売台数は約11万台、マーケットシェアは2020年2月の6.5%から当月は13.6%へと大幅に成長。特にノルウェーでは、市場全体の8割近くを占めており大健闘している。着実な自動車電動化の影響は、「燃料タイプ別販売構成比」を見ても明らかだ。例えば、2021年2月に販売されたランドローバーの3台に1台が電動車であるが、1年前の2020年2月にはわずか7%にすぎなかった。さらに、MG、ボルボ、メルセデス、ジープの電動車のシェアが前年同月比で15%以上増加している。これについて、JATO Japanは「PHEVやBEVの代替モデルに対する需要の高まりを受けて、各メーカーがSUVの多様化を進めているため」と説明している。
また2月のモデルランキングの変化も見逃せない。プジョー 208がトヨタ ヤリスに代わって首位となり、プジョーにとっては2008年2月のプジョー 207以来の快挙となった。現世代のプジョーの人気は2008(B-SUV)の好成績にも表れており、同モデルは当月51%という大幅な販売増を記録している。勝敗が明確に分かれつつあるコロナ禍の欧州新車市場。引き続きJATOの調査に注目していきたい。
PR TIMES
(文・Takeuchi)