GPT-3はビジネスから教育、創作、ゲームにいたるまで幅広い領域で活用されており、OpenAIによるブログ記事では3つの事例が紹介されている。
バーチャル・ビーングはストーリーに沿った会話を生成
「Viable」はGPT-3を使用して、ヘルプデスクのチケットやチャットログ、レビューなどからテーマや感情を識別。これらを集約して数秒で要約を提供する。例えば「チェックアウト体験で顧客を苛立たせているものは何?」とたずねると「ロードに時間がかかりすぎるため、顧客はチェックアウトフローに不満を感じている。また、チェックアウト時に住所を編集し、複数の支払い手段を登録する方法も求めている。」といった洞察を返してくれるようだ。
また「Fable Studio」は、GPT-3を使用して「バーチャル・ビーング(仮想的な人物)」を強化。ストーリーに沿った会話をインタラクティブに生成する。Fable Studioを活用して制作の映像作品はエミー賞を受賞していて、人間とバーチャル・ビーングの自然なやり取りは動画で確認できる。
複雑な質問に対して関連性の高いコンテンツを提示
「Algolia Answers」ではGPT-3を高度な検索テクノロジーと統合し、複雑な質問に対して関連性の高いコンテンツを提示する。ヘルプデスクが自然言語でナレッジベースを検索して、瞬時に重要なものをピックアップ……といったユースケースが想定されるようだところでGPT-3がオープンソースでない理由として、OpenAIの掲げる「AIをすべての人類に利益をもたらすものに」との使命遂行コストをまかなう意図があるとのこと。巧妙すぎる文章を生成するGPT-3自体が、まさに諸刃に剣そのもので、誤用を防ぐための対策としてアプリケーションの本番稼働前にはOpenAIによるレビュープロセスが設けられている。
GPT-3の商用APIを利用するにはウェイティングリストへの登録が必要で、OpenAIは十分時間をかけて利用を拡大していく意向だ。
参照元:GPT-3 Powers the Next Generation of Apps/ OpenAI
(文・山田洋路)