(株)フューチャースタンダードが最近リリースした「河川水位監視ソリューション」もその一例だ。このAIには、一般的な物体検出とは種類が違う、セマンティックセグメンテーションというアルゴリズムが用いられている。
河川監視カメラを見てAIが増水を警告
大雨や台風による水害を減らすには、川の増水を監視することが重要だ。そのために国交省は、全国の河川約2800ヵ所以上にCCTVカメラを設置しており(2020年2月現在)、各自治体もカメラ増設を進めている。ところが、カメラが増えれば、それを監視する人の負担が増大する。それならAIにやらせよう、というのが「河川水位監視ソリューション」だ。
これを導入すると、カメラの画像からAIが水位を判定し、増水が著しい場合には、監視員にアラート通知が送られるようになる。
セマンティックセグメンテーション
川の画像から水位を判定する、と聞くと、大したことはないように思えるかもしれない。だが、顔認識などに用いられる一般的な物体検出のAIアルゴリズムでは、画面を横断して流れる川を正確に捉えるのは難しい。そこで採用されたのが、画素レベルで画像を捉え、そこに映っているものを複数の領域に分けることができる「セマンティックセグメンテーション」というディープラーニングの手法だ。これは、医療用画像処理や自動運転車の経路識別など、高精度な画像マッピングを必要とする分野で用いられてきたもの。それを利用することで、河川水位の正確な認識が可能になった。
最近のAI開発は、このように、分野をクロスオーバーして発展する段階に入っているようだ。
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国土交通省 報道発表資料