同分野の変化の兆しとして注目したいのが、AI・深層学習開発のRidge-i(リッジアイ)社が公開したウェブサービス「GRASP EARTH」だ。ハードルの高かった衛星画像解析を一般の目線に落とし込み、誰もが気軽に利用できる画期的なシステムを実現している。
地上の変化を視覚的に捉える
GRASP EARTHは、Googleの提供するEarth EngineをベースにしたWebアプリケーション。衛星画像の種類に応じて「GRASP EARTH SAR」と「GRASP EARTH COLOR」の2つがある。SAR画像は、衛星から地表に投射したマイクロ波の反射量を可視化したものだ。受け取る信号強度は、地表の形態や複雑さ(人工物の大きさ)によって変化する。たとえば駐車場の利用状況を知りたいのであれば、複数時点の信号強度を比較することで、車の台数の変化を捉えることができる。
SAR画像をベースとするGRASP EARTH SARでは、一定期間で人工物が減少したエリアを赤色、逆に増加したエリアを青色で示されるので、変化の場所を直感的に把握することができる。
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一方、GRASP EARTH COLORは、通常の光学画像に基づいたアプリケーション。2時点間の地上の様子をカラー画像で比較することができる。2つを組み合わせることにより、変化の場所や時期、量の正確な解析が可能になるわけだ。GRASP EARTHは、Ridge-iのから誰でも利用することができる。使い方は検索窓から場所を入力して、比較する2つの日時(Date1、Date2)を選択、決定するだけと簡便だ。
Ridge-iはGRASP EARTHの感想や使用例を共有してくれるサポーターも募集しているという。衛星データの魅力を知り、また衛星画像解析に触れる機会として、利用する価値は高そうだ。
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(文・九条ハル)