製造業界の課題に対するソリューションへ
製品完成検査の現場では、機器などの不具合を人間が微小な異音を聞き分けながら確認しており、その大半は熟練技術者の経験が求められるものだという。一方、熟練技術者の高齢化や入職者の減少などにより、製造業界の人材不足は深刻化している。今回の共同開発では、熟練技術者の暗黙知とされていた知識や経験の標準化を図っていく。その実現に向け、HmcommのAI異音検知技術および異音検知プラットフォーム「FAST-D(Flexible Anomaly Sound Training and Detection)」と、安川電機が目指す工場検査のノウハウを掛け合わせる。
具体的なフローとしては、音声データを「FAST-D」へアップロードして異常音を抽出・分析し、出荷判定につなげるという形が想定されているようだ。この開発が実現すれば、完成検査工程の無人化や生産工程の省力化などが見込めるとのこと。
「音」から価値を創出するHmcommの取り組み
Hmcommは国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)発のベンチャー企業として、2012年7月に設立された。「音から価値を創出し、革新的サービスを提供することにより社会に貢献する」を理念とする同社の基盤は、音声処理プラットフォーム「The Voice」と前述の異音検知プラットフォーム「FAST-D」。
「FAST-D」はサブスクリプション型のプラットフォームとして、異音検知サービスをクラウドで提供するもの。Hmcommでは現在、企業保有の音声データを利用した異常検知に関する問い合わせも受け付けている。
PR TIMES
(文・早川あさひ)