センサーを活用したビジョンシステムを開発するフラウンホーファー・光テクノロジー・システムテクノロジー・画像活用(IOSB)研究所の研究チームは、水難者を認識して救助する救助システムを開発した。
同システムは、屋内プールや湖での救助をはじめ、ダムの壁の検査や養魚場の魚の健康状態の監視にも活用可能だ。
救助者を固定するメカニズムは移植可能
水中救助システムではまず、屋内プールの天井に取り付けられた監視カメラで溺れている人の動きのパターンと位置を記録。その座標を救助ロボットに送信する。プールの床下ドックステーションから救助ロボットが出動し、光学センサーにより救助者を見つけて水面まで運ぶ。ちなみに、救助ロボットに搭載の救助者を固定するメカニズムは、ほかの水中車両にも移植可能とのこと。
救助システムは屋内プールのみならず、オープンウォーターの環境下でも活用できるとのことで、研究チームは湖でのテストを実施している。
オープンウォーターでのテストに成功
湖で救助システムを活用する際は、ドローンや気球に監視カメラを取り付けることになる。また救助ロボットは、光学センサーの代わりに音響センサーを利用して救助者の位置と向きを正確に把握する。研究チームによるテストを通じて、同システムがオープンウォーター環境下で機能することが証明された。テストでは、ロボットが推進3mの位置に設置され体重80kgのダミーをピックアップして固定。1秒以内に水面に運んだ後、最短ルートで救助隊が待つ岸まで運んだとのこと。
今後研究チームは、長さ90cm、高さ50cm、幅50cmの救助ロボットをさらに小型化し、プールや湖などシーンに合わせたバージョンを制作する意向を示している。
参照元:An autonomous underwater robot saves people from drowning/ Fraunhofer