これを使うと、2枚の衛星画像をAIが見比べて、街や建物、地形の変化など、とにかく少しでも違いがある部分を指摘してくれるという。実際にどう役立てるかはユーザー次第だが、今のところ不動産業界、金融業界、保険業界、建設業界などでの利用が想定されている。
JAXAの衛星データから
衛星データーの多くは公開されており、誰でも入手できるが、実際問題として、データのあり場所やアクセスの仕方を知らなければ簡単ではない。そんな衛星データをクラウド上でとりまとめ、誰でも手軽に利用できるようにしたのが、衛星データプラットフォーム「Tellus」だ。経済産業省主導で開発されたためか、ベースになる衛星データはJAXAが所有する衛星が観測したもの。欧米の衛星データは含まれていない。ただ、ソースとなる衛星データを分析するさまざまなツールが揃っており、その使いやすさやと見やすさは大きな特長といえる。開発・運用はインターネットインフラサービスのさくらインターネット(株)が行なっている。
今回追加されたのは、時期の異なる2枚の衛星画像をAIが見比べて、変化のあった部分を教えてくれるというツール。(同社は「差分抽出ツール/Tellus-DEUCE 」と呼んでいる)例えば、都市を上空から写した画像中に新築された1つの建物があるとする。それを見つけるには気が遠くなるほどの数の建物をチェックしなければならないが、AIなら、それを素早く正確にやってくれるというわけだ。
どう利用するかはユーザー次第
衛星画像を見比べるということは、日本はもとより、海外遠隔地の経時変化も分かるということ。あくまでJAXA所有の衛星がカバーする範囲内ではあるが、これを無料で利用できるのは大きなメリットだろう。具体的な利用法については、さまざまな可能性があり、開発したさくらインターネットも把握しきれていないようだ。ニュースリリースの中には一応、「不動産業界では建物の建て替わり、金融業界では都市の経済成長、保険業界では災害の被災範囲、商社・建設業界では海外での工事や開発の進捗状況の把握の一助になることを期待しています」とある。
衛星データプラットフォーム「Tellus」は2019年2月にスタートし、約2年でアカウント登録数が2万を超えた。もっぱら宇宙産業に関わる人が登録しているのだろう、と思いきや、そうでもない。例えば法人登録を見てみると、約90%が非宇宙産業従事者だそう。一般ビジネスの分野で意外な利用法があるのかも知れない。登録と基本機能の使用は無料だ。
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