現在、奄美本島の古仁屋港周辺から有人離島への主な物流手段は町営フェリーや海上タクシーなど。ここにドローンによる物流が加わることで利便性向上が期待できる。本島からのドローン物流実現に向け、今回はまず近距離の無人島や陸上での到達が困難な地域への軽量物資の輸送を行った。
飛行に成功! 課題も明らかに
このたびのフィールドは奄美大島・瀬戸内町の最南端の有人島・与路島。この島の与路港を起点に与路島沖の無人島・ハミヤ島や、与路港から近場でありながら岩場などの関係で陸路での往来が難しいアデツ海岸への物資輸送を試みた。直線距離1.8kmのハミヤ島へは、海上タクシー上からドローンを操作してコーヒー2つ(約400g)を輸送。実験当日は波が高く、ハミヤ島での受け取りは行われなかったが、上空までの飛行には成功したようだ。
直線距離0.5㎞のアデツ海岸へは、動物用医薬品など(重量約250g)・飲料水(重量約320g)・ジュース(重量約200g)を輸送。与路港の埠頭からドローンを操作し、アデツ海岸の目標地点の上空約3メートルから輸送物を投下した。
この実験では、輸送物を吊り下げていると風の抵抗が大きくなり高度3メートル以下になると機体が不安定になったため3メートルからの投下となったようだ。なお、輸送物は問題なく回収されたとのこと。
今回の実験で明らかとなった課題などを踏まえてドローン輸送実現への取り組みを進め、最終的には奄美本島・古仁屋港周辺から各離島(加計呂麻島、請島、与路島)などの港あるいは自宅周辺への物資輸送を目指していくようだ。
MaaS事業も展開中!
TARGET DXは、瀬戸内町農泊推進協議会と連携し、上記のようなドローン輸送事業のほか、離島の交通手段の改善を目的とした海上タクシーおよびタクシーなどのライドシェアといったMaaS事業にも取り組んでいる。2021年1月27日~2月9日の期間では、加計呂麻島(伊子茂港)~与路島(与路港)間での海上タクシーのライドシェアの実証実験を実施。また、3月上旬からは奄美大島空港~瀬戸内町間のタクシーなどの陸上交通機関のライドシェアの実証実験を予定している。
同社はこうして地元住民の生活利便性を向上するとともに、交通利便性の向上を図ることで観光客誘致などに貢献していきたいとしている。
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