イヤーウェアの勢いが強い
カウンターポイント社の調査によると、ウェアラブル市場は、イヤーウェア(耳に装着する機器)と、リストウェア(手首に装着する機器)が市場の大半を占めているという。具体的には、AirPodsなどのTWS(True Wireless Stereo=完全ワイヤレスステレオ)と、Apple Watchなどのスマートウォッチの両方を合わせると、2020年第3四半期の市場全体の実に93%を占める。特に、イヤーウェアの伸びは最も速いものとなった。カウンターポイント社シニアアナリストのLiz Lee氏は、「イヤホンやジャックを様々な機器からなくそうとするトレンドが、TWSセグメントの成長への大きなドライバーとなっている。スマートフォンでのメディア試聴の拡大も後押ししており、TWSは今や必須のアクセサリとなった」と、現在盛り上がりを見せるTWS市場に関して強気の見方を述べている。
一方でスマートウォッチに関してはどうだろうか。IoTと新技術を専門とする同社シニアアナリストのSujeong Lim氏は、スマートウォッチは2020年こそ勢いが弱かったものの、2021年は違う結果になると予測する。「経済の正常化、また健康やフィットネスへの関心が高まっていることから、スマートフォン市場は伸びるだろう。中期的には二桁台前半の成長が見込め、もし平均売価が早期に下がれば、さらに高い成長が見込めるだろう」と述べた。
高級機が市場を牽引
カウンターポイント社のTWS Market TrackerとSmartwatch Model Trackerの最新の数字によると、市場を牽引しているのは「高級機」だ。ハイエンドスマートデバイスの代名詞的存在のAppleは、TWS市場の29%、スマートウォッチ市場の28%を占めている(2020年第3四半期)。Lim氏は「AppleのiOSによる強力なエコシステム、つまり可処分所得の大きな消費者セグメントが、売上への大きな原動力となっている。そのため、高級機路線を貫くSamsungの業績も安定している」と語っている。ここ数年ですっかり我々の生活に定着してきた、完全ワイヤレスステレオとスマートウォッチ。今後もウェアラブル市場を牽引する存在になりそうだ。
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