東北大学発のスタートアップ
国際宇宙ステーション(ISS)は、これまで基礎科学的な実験から創薬などの産業利用まで幅広く利用されてきた。一方でElevationSpace社によると、構造寿命などの関係から2024年以降のISSの運用は未定で、運用終了後には宇宙利用を行う場所が無くなる可能性もあるという。これに対応していくため、同社は小型人工衛星内で宇宙実験や製造を行い、地球に再突入し回収するサービス「小型宇宙利用・回収プラットフォーム ELS-R」を開発している。東北大学発の宇宙スタートアップである強みを活かし、同大学の吉田・桒原研究室でこれまで開発してきた、10機以上の小型人工衛星の知見を活かしたものだという。
毎月の打ち上げも可能に
ElevationSpace社が提供するサービスの特徴のひとつは、「高頻度の打ち上げ」だ。例えば、宇宙ステーションのような大型のプラットフォームでは、利用できる頻度は半年に一回程度と非常に少ない。一方で、ELS-Rは小型衛星であるため、一機当たりの価格が低く、将来的には毎月人工衛星を打ち上げることも可能だという。さらに、「打ち上げまでの期間の短さ」も強みとして挙げられる。人がいる宇宙ステーションでは厳格な安全審査が設けられているが、ELS-Rは無人の人工衛星であるため、安全審査は比較的簡単。打ち上げるまでの期間や手間を省くことができる。
ELS-Rは、ISSで行われている宇宙実験に加え、高機能材料の製造や、エンターテインメントなどでの利用が可能だ。同社によると、特に地球上では作れない高機能材料の製造は期待されており、「宇宙工場」としての機能を強化していくという。
またElevationSpace社は、3月31日に東北最大級の宇宙カンファレンス「TOHOKU Space Conference 2021 〜東北から宇宙へ〜」を開催する。東北から「次世代の宇宙プラットフォーム」が生み出される未来に期待したい。
PR TIMES
ElevationSpace