ペンシルベニア州立大学の研究者は、目や口に装着してリアルタイムでデータが送信できるセンシングデバイスを開発中だ。同デバイスは、健康状態のモニタリングとともに薬剤の投与も可能にする。
検査結果の即時表示と継続的なモニタリングが可能に
研究者の開発するセンシングデバイスは、涙や唾液などに含まれる成分を検出して、リアルタイムでデータを送信する。同技術は、口腔がんや角膜炎、感染症なんかの状況把握に役立つという。デバイスで収集されたデータは、ユーザーのスマホで表示したり、医師に送信したりが可能だ。
これにより、病院に出向いてのサンプル採取とその分析によるタイムラグをなくし、結果の即時表示と継続的なモニタリングが提供できる。
マイクロニードルによる薬剤投与も
研究者は昨年、同様の技術を用いて汗からpHやナトリウム、ブドウ糖のレベルを検出する人工スキンを発表している。新しいデバイスでは、データの収集だけでなく、マイクロニードルによる効率的な薬の投与も可能だ。
現在研究者は、実用的なプロトタイプを開発中。常時着用に耐えられるように、デバイスを目立たずソフトで快適なものにする必要がある。また、誰もが利用できるよう低コストな設計を目指している。
デバイスの大規模展開に向けて、地元のメーカーや国立衛生研究所、Amazonとの協議が進行中とのことで、市場で見かける日も遠くないだろう。
参照元:Wearable sensor monitors health, administers drugs using saliva and tears/ Penn State News