ドイツのゲッティンゲン大学が率いる研究チームは、3Dレーザースキャナーで原生林をキャプチャ。その構造を分析すべく原生林の3D構造モデルを作成している。
多様性が高いほど3D構造は複雑に
研究チームは2年間にわたるプロジェクトで世界中の原生林を調査して回った。原生林の3D構造を調べることで、樹種の多様性がわかり、樹種が多様なほど構造が複雑になるという。レーザービームを使用して環境をキャプチャする3Dレーザースキャナーの助けをかりて、3D構造モデルとして原生林を描写し、さらにコンピュータによる計算で構造の複雑さを分析する。
研究チームは、3Dレーザースキャナーを駆使して気候帯の異なる原生林をキャプチャ、分析し、さまざまな構造パターンを見出した。さらには、構造の複雑化を説明する要素を明らかにしている。
将来的には衛星による原生林のキャプチャも
調査結果から、原生林ではより複雑な構造の形成にとって水が重要な要素となっていることが示された。原生林の構造パターンは、ほとんどの場合降水量、あるいは生態系の水の利用可能性によって説明できたという。こうして得た知見と気候データをもとに、研究チームは世界の原生林の構造マップを作成した。
研究チームはまた、気候変動による降水パターンの変化が原生林の構造にどのように影響するかにも興味を示している。
原生林の3D構造モデルは、気候変動の影響を理解するためにも重要。将来的には、衛星によるキャプチャで原生林の3D構造を正確に調査できるようになる可能性があるという。
参照元:Forests of the world in 3D/ University of Göttingen