なお同実験は、広島県が公募した「ひろしまサンドボックス」実証プロジェクトの「公園内のイノシシ被害軽減のための獣害対策支援業務」の一環として実施される。
走り回るイノシシを撮影
同実験は、環境省の植生マップなど従来のデータをもとにしたイノシシの群れの特徴や年齢の特定、侵入経路の予測などの痕跡調査や、ドローン空撮のデータを踏まえて最新植生マップを作成しイノシシの生態を把握することからはじまった。その生態データをもとに赤外線カメラ搭載ドローンによるイノシシの追跡撮影を行った結果、2日連続でイノシシの姿を捉えることに成功している。ドローンの映像からはイノシシが公園内を走り回り、どこかへ走り去る様子が見て取れた。現在、CEFIC研究所(岡山理科大 吉川教授)にて、映像解析や採取した糞の分析などを行っているという。
イノシシを捉えたドローン映像はこちら。
今後の展開は?
今後は、調査・分析の結果にもとづいて、自動撮影が可能なトレイルカメラ(センサーカメラ)を適所に設置し、より詳細なイノシシの生態を把握していくようだ。また、アポロ販売が取り扱う電気柵・グレーチング・忌避剤などを設置し、イノシシ被害の軽減に貢献していくとのこと。現段階では追い払いにとどまっているが、本来、鳥獣被害対策は「追い払い」と「捕獲」をセットで行うことが有効とされていることから、引き続き恒久的な被害対策を進めていく構えだ。
同実験について、農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー 原田誠司氏は「ドローンの使用により今まで勘だった部分(頭の中での想像の動き)を見える化することで、予測通りの動きを実際に確認することができました。このことから、ドローンの効果を再認識し、今後の対策の新たな展開を期待しています。」とコメントしている。
PR TIMES