スペインのMugaritzは、ミシュランの星付き評価を得ているレストランの1つ。世界中が一目置くグルメの世界では、伝統や格式が重んじられていそうだが、このレストランでは、最新の技術を取り入れた面白い試みに取り組んでいるようだ。
以前、「スマートフォンに香りが届く」というツールを紹介した。スマートフォンのヘッドフォンジャックに、「Scentee」という小さな風船のような形状のアタッチメントを差し込むと、emailが着信したときなどに、そこから香りが放出され、ユーザーに知らせてくれるというものだ。
言わば、着メロならぬ“着香り”。目覚まし時計の代わりに、香りで起こしてくれるというような使い方もあるようだ。「Scentee」の専用カートリッジには、ラベンダーやローズといった定番のよい香りから、ストロベリーやコーヒー、カレーや焼肉など、食欲をそそるような目新しい香りまで用意されている。
レストランMugaritzのシェフAndoni Luis Aduriz氏は、この「Scentee」に着目し、レストラン向けの新しいアプリの作成を企画。ユーザーに「Scentee」を通じて、彼の料理やメニューの香りを体感してもらおうというものだ。
料理は目で見て、おいしさ、美しさを感じるだけでなく、何より食欲に直結する香りに拠るところが大きい。直接、来店したことがない相手にも、国境を越えて訴求することができるだけでなく、SNSなどでシェアされることで話題性も高まり、新たな顧客を生み出すことにもつながっていくかもしれない。
Mugaritz
Scentee