こうしたことから、フラウンホーファー研究機構・太陽エネルギーシステム研究所(ISE)の研究者らは、見た目が魅力的な太陽電池モジュールを開発した。カラフルな太陽電池モジュールは、ほとんど違和感ないかたちでファサードや屋根に組み込むことができる。
モルフォ蝶の羽の表面テクスチャを再現
今回開発の技術のキモは、モジュールの保護ガラスのコーディングに、モルフォ蝶の羽のシステムを取り入れたことだ。保護ガラスが顔料でコーティングされていれば、光の透過が妨げられ、発電効率に大幅な支障をきたす。虹色の羽をもつモルフォ蝶は、色素ではなく光学効果により色の印象を作り出す。そのしかけは非常に細かい羽根の表面テクスチャにあり、特定の範囲の光の波長のみを反射することで色を表現している。
研究者らは真空技術を用いて、太陽電池モジュールの保護ガラス裏側にモルフォ蝶同様のテクスチャを施し、青、緑、赤の色を作り出すことに成功した。
7%の光の反射のみで色を表す
同技術では約7%の光の反射のみで色を表すことができ、残りの約93%が透過できるという。さらに研究者らは、太陽電池を数ミリだけ重ねる連結方法を開発し、隙間のない均一な外観を実現した。
いずれの技術も大量生産に適しているとのことで、近い将来、太陽光パネルは建物と同化するデザインが主流になるかもしれない。
参照元:Solar technology with the beauty of butterfly wings/Fraunhofer