AIを活用し「新しい入試」を企画する
会場で筆記試験を行う従来の入試形式は、コロナ禍で定員減を求められるなど、生徒の居住地により入試機会の格差が深刻化している。また、試験当日の対象科目の点数のみを評価する一般入試制度のデメリットとして、生徒が高校で教わった「基礎学力」を十分に測れないことが多い。立命館においては、特に理系学部において、入学はできたもののその後の授業についていけない学生の存在が課題であった。
atama plusと立命館が立ち上げた共同研究会は、すべての生徒に公平平等に入学の機会を提供するために、オンライン入試のプラットフォームの開発を行う。限りなく移動や集合形態を前提としない形で実施できる受験の実現を目指すという。
さらに、2022年度(現高校2年生対象)以降の学内推薦入試での適用を目処に、理系科目の習得状況などの「学習歴」を加味して合否を決める、新しい入試の仕組みを研究する。まずは、2021年4月よりタブレット型AI教材「atama+」の授業内活用を開始し、分野別の習得状況を可視化していくという。
大学入学前の基礎学力定着も
また同研究会は、大学入学前の生徒を対象に「atama+」を活用した教育モデルの構築を目指す。生徒は、AIによる診断で苦手な範囲の根本原因を発見し、入学後もスムーズに授業についていけるよう、土台となる「基礎学力」の習得を目指す。2021年1月より、立命館守山高校の立命館大学理系学部及び経済学部への進学が決定した3年生を対象に行うという。立命館理事長の森島朋三氏によると、同研究会は高校と大学の接続、入試のあり方を変える可能性があり「一人ひとりの個性、可能性、力量を伸ばす」教育を実現する手助けになるという。
また、atama plus 代表取締役の稲田大輔氏は「高校生が、将来のために必要となる学び、そして社会でいきる力を身につけることに時間を使っていけるような社会を作りたいと考えており、本研究会にて、大学入試制度や高大接続で変えていくべきところはどこなのか検討し、立命館様と共に新たな仕組みを構築していきたい」と未来への抱負を述べた。
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