各国の消費者は5Gをどのように認識しているか
既に5Gをリリースしている日本、中国、オーストラリア、イギリス、ドイツ、フィンランド、スウェーデン、イタリアの消費者はどのように5Gを認識しているのだろうか。「5Gに移行した場合、モバイル接続はよくなるだろう」との問いに対して、日本では肯定層が50%で、否定層は6%だった。それ以外の国でも、5Gを肯定的に捉える消費者が比較的多いことがわかった。同じ問いに対して、5Gが先行している中国では、圧倒的多数の9割の消費者が肯定的に回答した。
一方で、中国では45%の消費者が「5Gについてよく知らない」と回答した。日本を含むそれ以外の国でも6割前後は「よく知らない」と回答している。各国の消費者は5Gに期待しつつも、その具体的な利便性の認識は広まっていないようだ。
では、5Gへの乗り換え意欲はどうなのだろうか。
中国では3人に1人、それ以外の各国では2割前後の消費者が「5Gを既に利用している」または「私の地域で利用可能になり次第、5Gネットワークに乗り換えるだろう」と回答し、5G利用に対しては消極的な姿勢を見せた。
さらに、日本の消費者は「利用している / 乗り換えたい」との回答が、8ヶ国中で最も低い5%にとどまった。日本は5Gに対して肯定的な考えを持つ人が多い半面、実際に乗り換える意欲は低いことがわかる。
日本で5Gの乗り換えが進まない要因とは?
デロイトは、他国と比べ日本で5Gが進まない要因として「既存の通信ネットワーク品質に満足している」や「キラーコンテンツがまだ見えないため端末・通信料金の価格アップは割高に感じる」などの理由を挙げた。また、VRヘッドセットなどデジタルデバイスの利用状況調査では、日本の消費者の利用率は各国と比較して最も低い結果となり、アーリーアダプターが少ないと言える。
一方で、日本は従来からiPhone所有率が高く、2020年10月末の5G対応のiPhone12の発売により、今後5Gの普及が進む可能性もある。
同社執行役員の真鍋裕之氏は「日本は他国に比べて5Gの普及が進んでいない。(中略)一方、生活者や社会の視点では、COVID-19の影響で、リアルとバーチャルの価値変化が進んでおり、5Gの主用途の一つであるXR領域にとって追い風と言える。同時に、国民全体のDXが急務とされる中、社会インフラという観点からのXRの実装の在り方も注視していきたい。」と見解を述べた。
PR TIMES
(文・竹内息吹)