魚のサイズ計測における課題の解決へ
「UMITRON LENS」では、AI・IoT技術と小型ステレオカメラを活用。スマートフォンアプリによる操作で、水中の魚のサイズを計測できる。同システムの開発は2018年から大分県で進められ、ユーザビリティや測定精度の改善を実施。従来、小型ステレオカメラの活用においては測定精度の低さが課題とされていたが、独自の解析アルゴリズムによって高精度を実現したという。魚の成長サイズは、水産養殖における重要な経営指標となっている。しかし、手作業での計測には手間がかかるだけでなく、計測中に魚を傷つけることで資産価値が落ちるという課題もあった。
こうした課題に対するソリューションとしては、株式会社アイエンターによる「魚体サイズ算出装置」も挙げられる。同装置や「UMITRON LENS」のようなテクノロジーが普及すれば、作業の効率化や収益性の向上が見込めそうだ。
大分県や愛媛県の養殖事業者と連携
水産養殖スタートアップのウミトロンによるプロジェクト「IoT/AI技術を活用した水産養殖管理サービスの事業化」は、今年6月に経済産業省関東経済産業局から「異分野連携新事業分野開拓計画」に認定された。同社は、大分県のブリ養殖事業者である重宝水産株式会社や、愛媛県のマダイ養殖事業者である赤坂水産と連携。新サービスの開発や市場開拓を進めているようだ。ウミトロンは、今回の「UMITRON LENS」に加え、魚の食欲解析システム「UMITRON FAI」や海洋データサービス「UMITRON PULSE」などのデータを統合することで、新たな水産養殖モデルの実現を目指すとしている。
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(文・早川あさひ)