同社は現在、通常の人工衛星より安価で手軽な超小型人工衛星(CubeSat)を活用し新たな宇宙利用の開拓を目指す事業を推進中だ。今回は、2022年頃に予定している初号機「視覚で楽しむ衛星(仮称)」の打ち上げに向けた同社の活動にフォーカスしてみよう。
スマホに応える人工衛星
同社は、光源装置を搭載したCubeSat(3Uサイズ:10×10×30cm、重さ4kg)を打ち上げ、地上から肉眼で光を見られるように運用する予定だ。世界中の都市へ明るさ最大-2等級以上の光を届ける衛星の存在が、宇宙を身近に感じさせてくれるかもしれない。また、同社が打ち上げ予定のCubeSatにはインタラクティブな仕掛けもある。ユーザーがスマートフォンなどを使い、CubeSatが発する光の色や明るさをリアルタイムでコントロールすることができるというのだ。
肉眼で捉えることにくわえて、人工衛星をコントロールするという体験は、多くの人の目を宇宙に向けるきっかけとなり得るだろう。
なお、衛星は天文観測の妨げにならないよう特定の地域でのみ視認されるよう運用されるとのこと。
複数機でのフォーメーションフライトも検討中
同社は、今後の宇宙産業の発展には市場の裾野を拡大する新たな宇宙利用の実現が必要不可欠と考えている。その宇宙利用のひとつがエンターテイメント。まずは初号機「視覚で楽しむ衛星」で地上と宇宙を結び、人々に宇宙が身近であることを印象づけていく。その後、初号機で実証した技術を用いて多数機でのでのフォーメーションフライトを行い、見える人工衛星の表現の幅を広げることを検討していくようだ。
CubeSatは2003年に世界ではじめて打上げられて以降、高速データ送信が可能な機体やスペースデブリを増やさないよう膜やパラシュートを広げて落下を早めるように工夫した機体が考案されるなど急速に発展してきた。そのなかでも同社が実行しようとしている宇宙エンターテイメントは実にユニークだ。
同社は、初号機の打ち上げに向け開発をより加速すべく、株式会社ゼロワンブースター、KDパートナーズ合同会社、個人投資家らを引受先としたJKISS型新株予約権と銀行融資による資金調達を実施した。
また、「視覚で楽しむ衛星」を利用したPRなどを行うスポンサー企業を募集中。スポンサー企業は衛星の命名や衛星を用いたさまざまなプロモーションの調整ができるとのことだ。
PR TIMES