「BotFriends Vision+」となった新バージョンは、AIによる無人接客と案内スタッフによる遠隔接客を組み合わせ、より多くの質問に確実に対応できるという。
新バージョン開発の流れ
同社は、2017年よりJR東日本が設立した「モビリティ変革コンソーシアム」に参画しており、2018年に開発した従来の「BotFriends Vision」は、複数回にわたり駅などにおいて共同実証実験「案内AIみんなで育てようプロジェクト」を重ねてきた。そのなかで、フェーズ2となる2019年8月の共同実証実験では、「BotFriends Vision」をJR横浜駅に2台設置し、AIによる多言語自動案内とバーチャルキャラクターを通じた遠隔コミュニケーションの組み合わせの有用性を検証。
以降の「BotFriends Vision」運用のなかで、AIによる無人接客には回答の幅に限界があることが課題となり、以前に有効性を検証していた無人接客と有人接客を組み合わせた新バージョン開発に至った。
そして「モビリティ変革コンソーシアム」の取り組みとして、12月中旬に高輪ゲートウェイ駅の有人改札での遠隔案内に関する実証実験に臨む。なお、同時に「BotFriends Vision」の実地検証も同駅と新宿駅にて実施されるようだ。
複数パターンの遠隔案内
新バージョン「BotFriends Vision+」の最大の特徴は、多言語AIチャットボットによる自動応答にくわえ、AIが学習していない内容の質問や複雑な内容の質問、イベントなどに関する質問に対し案内スタッフによる遠隔対応が追加されていること。案内スタッフは、同社オリジナルバーチャルキャラクター「小石川 彩」を遠隔操作して接客したり、案内係スタッフの映像と音声および地図などの画像を「BotFriends Vision+」に配信しながら接客したり、筐体に搭載されたIP電話を通じて接客したりと、シーンやユーザーに合わせてさまざまな接客を行うことができる。
また、筐体は車いすでも利用しやすい高さ・画面幅に設計されており、公共・商業施設利用者の利便性向上に貢献していくとのことだ。
コロナ禍における非接触・非対面の接客ニーズ、省人化や多言語対応などのニーズを満たしてくれそうな「BotFriends Vision+」。同社は今後、自治体をはじめ鉄道・流通・小売・ホテルなどのサービス・インフラ業界に向けて拡販を進め、2025年度までに50億円の売り上げを目指すとしている。
PR TIMES