次世代のエンジニアを発掘
JAMES DYSON AWARDは、デザインエンジニアリングの必要性を伝え、次世代のエンジニア育成を目的に活動をすることを目的にしたコンペティションで、ジェームズダイソン財団が運営。賞金に加え、国内外のメディアで紹介される機会の提供を通して応募者のキャリア形成をサポートを行っており、過去には受賞をきっかけに、作品の製品化や、起業の道に進む応募者もいたという。募集課題はシンプルだが、常識にとらわれない、他とは違う考え方によって、試行錯誤を繰り返し、より良い機能を持つ作品を募集。その結果、ダイソン創業者で最終審査員のジェームズ ダイソンが選出した2020年のJDA国際最優秀賞は、The Blue Box(スペイン)に決定。また、今年新設されたサステナビリティ賞は、AuREUS(フィリピン)が受賞した。
低コストで乳がん検診
JDA国際最優秀賞に輝いた「The Blue Box」は、痛みを伴うことなく非照射、低コストで乳がんをスクリーニングできるデバイス。AIベースのアルゴリズムは、特定の尿代謝物に反応し、在宅でガン検査を行うことができるという。The Blue Appでプロファイルを作成した後、ユーザーはプラスチックの容器に尿をいれ、それをBlueBox内に置く。 次に、アプリの「スタート」ボタンを押すと30秒ほどで化学センサーが乳がんバイオマーカーに反応し、人工知能アルゴリズムを用いて診断を行う仕組みだという。同チームは、世界中のすべての女性が、乳がんによる苦しみを防げるようにという思いから同デバイスを開発したと語っている。
今年は、例年以上の応募作品数を記録したという同アワード。すでに2021年も開催も予定されているということなので、来年の受賞作はどんな作品が選ばれるか注目していきたい。
JAMES DYSON AWARD