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Review ソニー「wena 3」レビュー:お気に入りの時計をスマートウォッチ化。Suica対応でさらに使いやすく

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ソニー「wena 3」レビュー:お気に入りの時計をスマートウォッチ化。Suica対応でさらに使いやすく

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教えてくれるのは時間だけ —— そんな従来の時計が多機能化されて便利になった、と謳うのは昨今のスマートウォッチだ。電子マネーに音声アシスタントが使えて、体調や運動の記録までとってくれる。その利便性がいかに心地よいものか、実際に使っている人なら身にしみてわかるだろう。

その一方で、精巧な腕時計の美しさ、それを身に着ける喜びは、やはりアナログ時計ならではの体験だと思う。ソニーのスマートウォッチ「wena 3」は、本体機能を時計ではなくバックル部に内蔵することで、腕時計の美的価値とスマートウォッチの利便性を両立。双方の魅力を見事に体現する。

実機を使ってみてわかったのは、それが単なる「ユニークな」時計ではなく、ビジネス展開を見据えた極めて実用的なプロダクトであるということ。ギーク層だけでなく、スマートウォッチを持たない一般向けにも広く勧められる一品だ。

本体がモジュール化されカスタマイズ性が向上


「wena」シリーズのコンセプトは、アナログ時計とスマートウォッチの"ハイブリット"。一般的なスマートウォッチと異なり、本体機能がバンド側にあるため、お気に入りの腕時計と組み合わせて使うことができる。


最新モデルとなるwena 3では、本体構造が刷新され、カスタマイズの自由度が飛躍的に向上している。従来モデルではバンド内に分散していた各部品が、wena 3ではバックル部のモジュールに集約された。これにより、バンドの組み合わせだけでなく、他メーカーへモジュール単位の出荷も可能にしている。

公式からはレザー・メタル・ラバーの3種類(カラーは計5種類)がラインナップ。バックル部の本体は全モデルで共通だが、バンド接続部の仕様がそれぞれ異なるため、バンドのみの付け替えは難しそうだ。


筆者が使用するメタルバンド(シルバー)は、wena 3本体との親和性が高く、腕時計ならではの高級感を肌身で感じられる。お気に入りの時計ヘッドを使うのも良いが、wenaブランドからもお洒落なヘッドが多数出ており、どれを選べば良いか迷ってしまう。

さらに、ビジネス上の挑戦として、まずはセイコーとシチズンにwena 3のモジュールを提供、同対応モデルの発売が予告された。セイコーは側面ボタンによるwena 3の操作など独自機能を加えた「wiredwena」を発表。シチズンはムーブメント供給先にモジュールを販売するほか、自社のIoTサービスとwena 3の機能を連携させた新モデルを開発する。

wena 3モジュールが他ブランドを巻き込んだ新たなエコシステムを築くことができれば、従来のスマートウォッチを遥かにしのぐ選択肢が提供できるようになる。これはユーザー目線でも大きなメリットになるはずだ。

Suica対応で機能性は抜群、UIには課題も


本体には大型のタッチスクリーン(単色)が搭載されており、スマートフォンからの通知や天気、活動量などを表示してくれる。従来機は「楽天Edy」「iD」「QUICPay」等のキャッシュレス決済に対応していたが、今回から交通系ICの「Suica」にも対応し、利便性が向上した。

仕組みは「楽天ペイ」内のSuicaと同じもので、JR東日本が提供するオープンプラットフォームを利用している。そのため、スマートフォンのwenaアプリから残高のチャージが可能だが、オートチャージ設定や、定期券・グリーン券の購入等はできない。

とはいえ、残高を本体のディスプレイで確認できるほか、バッテリーが切れても24時間の予備電源によりタッチ決済を利用できるなど、使い勝手は良好だ。wena 3のSuica機能はiOS・Android双方のアプリで設定できる。ただしその他の決済(楽天Edy・iD・QUICPay)は相変わらずiOS端末がないと初期設定ができない。


他にも、2色のLEDを組み合わせた光学式心拍センサーや、ソニー独自のアルゴリズムによるVO2 Max(最大酸素摂取量)の測定機能を搭載。音声アシスタントのAmazon Alexaにも対応し、小柄ながらも他のスマートウォッチに劣らない機能性を実現している。

惜しい点を挙げるとすれば、ディスプレイのUI・UXがややもっさりしているのが気になる。補助的に使用する分には問題ないが、やはり一体型のスマートウォッチに比べると操作性に難がある。Alexaは本体ボタン長押しで起動できて便利だが、スマートフォンと連携し擬似的に動作するため、使える機能に一部制限がある。

以上の点に目をつむれば、wena 3の使用感は総じて優れている。これまでのスマートウォッチとは逆の発想に基づく斬新なプロダクトだが、新たなビジネスモデル然り、その可能性は十二分にあると感じている。

(文・九条ハル)

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